長崎駅前 軌道移設費倍増 12億円超「見積もり甘い」批判 長崎市議会

 九州新幹線長崎ルートの整備に伴う長崎市のJR長崎駅周辺土地区画整理事業に絡み、市は2日の定例市議会建設水道委員会で、駅前の路面電車の軌道移設費用が当初計画から倍増し12億5千万円となる見込みであることを明らかにした。委員から「見積もりが甘い」と批判の声が上がった。
 国道202号から駅東口へ入る右折帯が新設される予定。これに伴い、市は国道を通る長崎電気軌道(同市)の軌道の延長約300メートル分を駅側へ最大2.5メートル移設し、費用は同社の見積もりに基づき約6億4千万円と議会に説明してきた。
 だが同社は昨年末、移設する軌道の延長を約100メートル分追加し、夜間工事も新たに必要になると市に報告した。完成時期は、長崎ルートが暫定開業する2022年秋から、23年3月にずれ込む見通しという。市側は「想定が甘かった」として陳謝した。
 また、市は新幹線駅舎などのデザイン検討会議に13年度以降、総額1億円以上を投じ、21年度も2100万円を予算計上。委員から「開業に間に合うのか」と懸念する声が上がり、市まちづくり部の片江伸一郎部長は「完成できるよう指導する」と述べた。

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