研究者は世界をどのように紐解いているのか? 未来館が常設展示を刷新

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日本科学未来館(未来館)は、2021年3月3日より常設展のフロンティアラボを全面リニューアルし、新たな常設展示「”ちり”も積もれば世界を変える‐宇宙・地球・生命の探求」の展示を開始した。

新常設展示では、「基礎科学が私たちの世界観を更新していることを知り、領域を探求する研究活動の価値について考える展示」とし、世界の探求を行う研究事例として地球深部探査船「ちきゅう」、小惑星探査機「はやぶさ2」、大型電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」の取り組みが展示されている。そして、それぞれを個々の研究としてではなく、横軸でつないだ展示にすることで「好奇心に端を発する人類の営み」としての科学に焦点をあてているという。

未来館の毛利衛館長は「この展示には、基礎科学が大事だというメッセージを込めた。いま大変なことになっているウイルスひとつをとっても、今から100年前の人はウイルスがあるということもわからなかった。周りの世界を知ることによって人類は生き延びてきた。周りを理解するということはとても役に立つということを伝えたい。」と、基礎研究の重要性を強調し、それを伝える未来館の意義を述べた。

同展示には未来館の「研究者の熱量を伝えたい」との強い意向も込められているという。プランナーを務めた井高久美子氏は「研究者の一つひとつの研究成果は、微少かもしれないがその積み重ねで、20年後、30年後に変化が起こるということを来場者にも追体験してもらえるようにプランニングした」と、展示に込めた思いを語った。

この言葉通り、今回の展示の見どころは、研究者が何を知りたくて、どのように研究を行っているのか、そしてそれがわかると何に影響するのかが実物や模型、映像を通して一気通貫してみることができる点だろう。

また、研究者のコメンタリー映像を通して、海洋研究開発機構(JAMSTEC)や国立天文台の研究者が、どのように世界を紐解いているかについても知ることができる。

このほか、はやぶさ2のサンプルキャッチャーと再突入カプセルの断面カットモデルや、アルマ望遠鏡に搭載されている、日本が開発した3本の受信機模型などの展示と併せてこれまでの研究成果などのパネル展示が行われている。

また、展示の最後には未来館の科学コミュニケーターが一番力を入れたというパネル展示が行われている。好奇心の広がりが世界を広げるということを表現するために3~4か月ほど議論を重ねて作り上げたという。

なお、同常設展示は科学未来館5階に設置されており、常設展への入場料の料金は大人630円、小学生(6歳以上)~18歳以下210円、未就学児(6歳以下)は無料となっている(2021年3月2日時点、18歳以下には来場する曜日による割引なども用意されている)。また、来場には事前にオンラインでの予約(2021年3月2日時点)が必要となっていることに注意が必要である。