【津川哲夫F1新車私的解説】レッドブル、空力問題解決で開幕前にさらにアップデートか。RB16Bは足回り構成を変更

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 今シーズンのレッドブルはアルファタウリに次いで、また厄介な新車発表をしてくれた。アルファタウリAT02はいざフィルミングデーでのシェイクダウンでを走ると、発表写真にAT01を使っていた事がわかり、実はAT02は予定通り昨年のRB16のサスペンションを移植していることが見受けられた。これが新フロントサスペンションの答えであり、リヤサスペンションも昨年のRB16後期型であり、間違いなくジオメトリーを昨年型から変えてきたわけだ。

 そして本体のレッドブルはそのRB16のB仕様と言う形で2021年車を投入。しかし、シェイクダウンテストでは旧型を走らせ、B仕様の写真をリリースしなかった。

レッドブルF1の2021年型『RB16B』のシェイクダウンに出席したセルジオ・ペレス、クリスチャン・ホーナー(チーム代表)、エイドリアン・ニューウェイ(テクニカルディレクター)、マックス・フェルスタッペン、アレクサンダー・アルボン

 それでも他メディアなどで報道されている写真などの見た目からでも、リヤサスペンションの構成が若干変わったのが分かる。基本的には昨年後期型だが、ロワアーム前後レグのスパンを狭くしていてフロントレグがプルロッドの後方へ下がり、この位置づけがフロア後方エアロに貢献するのだろう。

 フロア後部規制され狭くなり、フロアエッジのスリットなどの渦流調整ガジェットが消えたことで失うエアロ効率を、何とかリヤタイヤとコークパネル間の空間を広げて対処するためにコークパネル部は一段と絞り込まれている。その分の排熱容量を確保するためか、エンジンカバーとリヤデッキ部に変更が見られる。

レッドブル・レーシングの2021年型マシン『RB16B』

 さらにリヤウイングステーは昨年テストしていた一本支柱型が搭載されている。これもリヤウイングへの空気流の効率向上が狙いだろう。発表時搭載された新規則フロアは昨年後期型のスリット部を埋めて対処。開幕前テストか開幕戦には新型が登場するはずで、開幕までにフロアだけでなく、この発表型のRB16Bとはいろいろ変わるはずだ。

レッドブル・レーシングの2021年型マシン『RB16B』

 今シーズンのホンダRA621Hは新開発されたパワーユニット(PU)で、これまで以上の突っ込んだ開発が行われている。もちろん信頼性を崩さずにパフォーマンス向上を徹底したホンダ究極の作品と言える。しかし現実にその立ち位置がどの辺りにいるのか。メルセデスの上か、同じか、下か、新開発フェラーリや新生ルノーとの比較は……これは開幕して見なければ解らない。当然、どのメーカーも手を抜いているわけではないのだから。

 レッドブルF1代表のクリスチャン・ホナーは昨年について風洞データと実走結果との間に誤差が生じていて、エアロ問題の解決に時間がかかったとコメントしている。そして、今シーズンはそれを解決しているとも。

 そのトラブル内容は定かではないが、よくあるのがキャリブレーションの誤差に気付かなかったと言うもので、これまでもフェラーリ、ルノー、マクラーレン……ウインドトンネル(風洞)使用頻度の高いチームによく起る問題とも言える。目に見えないほどの誤差が重なり、気付かぬうちに大きな誤差となり、データが現実から遠退いてしまうのだ。

 レッドブルの問題がもしこれだったとすると、この補正にはかなりの時間を要するのでRB16Bの開発に若干時間的な遅れをみたかもしれない。

 しかしもちろん、これはあくまでも想像での話しで現在では問題ないというのだから、今シーズンのレッドブルはハイパーホンダPUを得て、マックス・フェルスタッペンとレース巧者のセルジト・ペレスのコンビを抱えているだけに、期待しない方がおかしいはずだ。

レッドブルの2021年フィルミングデーでのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペン
レッドブルの2021年フィルミングデーでのセルジオ・ペレスとホンダF1田辺豊治テクニカルディレクター
レッドブルのフィルミングデーで2019年型『RB15』を走らせるマックス・フェルスタッペン