ただ海を眺めて過ごす至福の時間。オーシャンビューのスイートルームが最高すぎる「界 アンジン」【星野リゾート宿泊ルポ】

春の訪れを少しずつ感じつつもまだまだ寒さが続く日々には、温泉にのんびりと浸かって温まりたいものです。伊豆エリアには毎年訪れているものの、毎回通り過ぎてしまい滞在したことがなかった、静岡県伊東市にある星野リゾート 界 アンジンに宿泊してきました。海に面して建ち全室オーシャンビューの客室は、「最高」という言葉以外に表現が見つかりませんでした。大切な人と何度でも泊まりたくなる、至福のおこもり旅にはピッタリの温泉旅館でした。

太平洋の海を臨む「界 アンジン」

静岡県伊東市は、伊豆方面への旅行で通り過ぎることが多いのですが、海沿いを車で走るだけでも気持ちが良くテンションが上がるエリア。海に面した界 アンジンは、ロケーションが抜群です。JR伊東駅から歩いて行ける距離も魅力的。全室オーシャンビューで眺望は最高なのはもちろん、今回はスイートルームに宿泊ということでかなり楽しみにしていました。

詳しくはのちほど触れますが、界 アンジンの名前の由来にもなった英国人航海士三浦按針(英国名=ウィリアム・アダムス)が、日本で初めての西洋式帆船を造ったのがここ伊東の地でした。界 アンジンの向かいにも「三浦按針の碑」があります。

三浦按針にちなみ、界 アンジンのテーマは「船旅」。館内の装飾には船をモチーフにしたデザインのものがたくさん用いられており、訪れる人の目を楽しませてくれますよ。

トラベルライブラリーでも船旅にまつわる本が置かれていたり、大きな船の模型もあります。ジャズのレコードも置いてあるので、客室(スイートルーム)に好きなレコードを自由に持ち帰り、楽しむこともできるんです。

トラベルライブラリーでは、コーヒー、生姜湯などのドリンクに加え、寒天ゼリーなどが置かれています。温泉を楽しんだ後など、夜のくつろぎタイムのおともに利用できるのもうれしいです。

開放感たっぷり!眺望最高、広さも申し分なしのスイートルーム

到着後、早速チェックインしてお部屋へ。部屋の奥に進むと、目の前に広がる海!そしてさすがスイートルーム。広さも充分で開放感もたっぷり。ああ、なんて最高のお部屋なんでしょう。

座ってくつろぐエリアとベッドの間は、美しい木の仕切りがあり、木の隙間からは窓の光が差し込むようになっています。界 アンジンには、素敵なアートとして船の古材である舵や櫂(かい)なども使われており、海へのロマンを感じさせてくれます。

素敵な空間でいただくお茶も最高。界で使われているティーカップなど食器も素敵なので、筆者にとっては滞在の楽しみのひとつでもあります。界 アンジンでは、海にふさわしい爽やかなブルーとホワイトのティーカップ&ソーサーが使われていました。

客室にある食器類も、フロント横にあるショップで購入可能です。

スイートルームは洗面台も広々で、ゆったりと使えます。客室内にはバスタブまで完備。

館内で快適に過ごせる作務衣。浴衣ではなく、作務衣なのがありがたいんですよね。羽織に足袋靴下、そしてどこの界にもある風呂敷に包まれたアメニティ。こちらの風呂敷、界 アンジンでは海の色にリンクするブルーですが、全国17ヶ所にある界の施設それぞれに風呂敷の色が異なります。これは、全国各地の界めぐりをして、風呂敷を集めたくなっちゃいますよね。収集癖をくすぐられます。

風呂敷には、バッグの作り方がイラスト付きで説明がついているので、温泉や食事に行くときのバッグ代わりとして大活躍。筆者も一番簡単なバルーンバッグを作ってみました。

海とビールで至福の時間を。界 アンジンの象徴「サンブエナデッキ」

©Hoshino Resorts Inc.

界 アンジンといえば、なんといっても最上階の「サンブエナデッキ」の景色が象徴的。そう、ホームページで見た景色を実際に見るのを楽しみにしていたんです。

訪れたこの日は快晴で、サンブエナデッキから望む景色も本当に美しい。

©Hoshino Resorts Inc.

昼間の海がキラキラとする時間帯も素敵だし、夕日が沈みゆく夕方もぼんやりとこの景色を見ていたい・・・。滞在中の時間帯によって、異なる表情をみせる海のある風景。ここでしか味わえない、貴重な時間を存分にかみしめました。

サンブエナデッキの両サイドには大浴場があります。風にたなびく赤い女湯ののれんが爽やかで、なんとも風情がありますね。

そして、サンブエナデッキで見つけてしまいました。クラフトビール「インドの青鬼」を・・・。

自分でグラスについで、生ビールでいただけるんです。これにはもう大興奮。全国にある「界」の中で唯一、生ビールサーバーがあるのがここ界 アンジンだけなんだとか。三浦按針が旅した大航海時代、生水の代わりに飲まれていたのがIPA(インディアペールエール)だからなのだそう。

甲板に見立てたサンブエナデッキで生ビールをいただきながら、大航海時代に思いを馳せてみてはいかがでしょう。

生ビールを片手に、この景色・・・。もうビールが何杯でもいけそう。こちら、以前は18時までのサービスだったのですが、現在はチェックイン後の15時~22時まで楽しめます。くれぐれも飲みすぎにはご注意を。

海を感じる大浴場

©Hoshino Resorts Inc.

界 アンジンの、青く広がる太平洋を一望できる大浴場も素敵です。内風呂は空模様がリフレクションして、本当にきれい。

露天風呂は海の風を感じながらゆったりと。朝日に光る水面や、美しいグラデーションに染まった空や海の色など、時間とともに移ろう景色を楽しみながら温泉に浸かると、寒さで縮こまった身体もほどけて心からリラックスできます。

界には、和漢コスメがそろっているので、化粧品については手ぶらで泊まりに来ても問題ナシです。

サンブエナデッキが目の前の湯上り処

脱衣所にはウォーターサーバー、湯上がり処にはローズヒップ&カシス風味のりんご酢に、アイスキャンディーも。

お部屋で楽しんで作れる、ご当地おこもりグッズ「豆船」

ご当地にちなんだ、界のおこもりグッズ。界 アンジンでは、日本で初めて西洋式帆船が作られた伊東の地にちなみ、地元の工芸作家である三枝文子さんの作品「豆船」を作ることができます。

館内にも飾られている豆船のモビールを作ってみましたよ。

簡単に作れて、旅の思い出として持ち帰って飾ることができるおこもりグッズ。モビールを見るたびに、界 アンジンでの素敵な滞在を思い出します。

伊豆の食材に英国のエッセンスをプラス!特別会席を味わう

随所にアートが散りばめられた、半個室の食事処でいただく特別会席。アーティスティックな空間を楽しみつつ、三浦按針の故郷である英国のエッセンスが加わった食事を味わえます。

ドリンクメニューはQRコードを読み込み、スマートフォンから確認できます。今回は、料理に合わせてビール、日本酒、ワインを少しずつ楽しめる「バイザグラスセット」を選択しました。

©Hoshino Resorts Inc.

目で見ても楽しめる、美しい宝楽盛り。界の夕食で出てくる、この宝楽盛りが実は毎回のお楽しみだったりします。

お刺身は、金目鯛、真鯛、鰤。日本酒とのペアリングを楽しみます。

特別会席の目玉は、和風仕立てのブイヤベース鍋。その日に仕入れた新鮮な魚介をじっくりと炊き込んだブイヤベースは、伊勢海老や金目鯛、ムール貝、あさりのよいお出汁が出ていて絶品です。

ブイヤベース鍋には、ワインとのペアリングを楽しみました。

焼き物 牛フィレ肉と季節野菜の大航海仕立て

夕食の締めくくり、甘味のぐり茶のクレームブリュレ。とっても美味でした!

三浦按針の生きた時代に思いを馳せる「青い目のサムライ紀行」

恥ずかしながら知らなかったのですが、16世紀末に日本に漂着した英国人航海士ウィリアム・アダムスという人がいました。彼は徳川家康に重宝され、日本で初めて西洋式帆船を造る偉業を成し遂げます。彼が家康から授かった日本名は「三浦按針」。三浦の名前は、「三浦郡(現在の横須賀市)」から、按針という名前は「水先案内人」を意味するそう。彼が造船にあたったのが、今の界 アンジンのある場所あたりだったと言われているなど、界 アンジンの名前は、三浦按針から取ったものだったのです。訪れて初めて、施設名の由来を知り、三浦按針という人を知りました。

三浦按針にゆかりのある伊東市では、毎年8月に「按針祭」が催され、8月10日には約1万発もの花火がお祭りのフィナーレを飾るのだそう。界 アンジンから眺める花火は、さぞかし美しいのでしょうね。残念ながら2020年の按針祭は中止となってしまいましたが、今後開催された折には界 アンジンから花火を眺めてみたい・・・。

界が行っているご当地の魅力を伝える「ご当地楽」では、そんな三浦按針が生きた時代を知ることができます。按針が日本に来た経緯や、彼の生涯についてなどがショートムービーにまとめられ、ひきこまれるように見てしまいました。界 アンジンを訪れたことから三浦按針を知り、もっと深く彼について知りたいと感じた良い機会でした。

早起きして朝焼けの海を眺めてほしい

朝食の時間までお布団の中でゴロゴロするのも良いのですが、ちょっと早起きして朝焼けの空と海の色を楽しむのもおすすめです。オーシャンビューのお部屋からでも、サンブエナデッキからでも、好きな場所で景色を眺めてみてほしい。いつもと同じ朝が、ちょっぴり特別なものに感じられますよ。筆者は外に出て、朝焼けを眺めながら海沿いの散歩を楽しみました。

【花見行李】イギリススタイルで楽しむティータイム

「界」では、桜の咲く時期におすすめのお花見スポットを紹介するとともに、花見のお供となる地域の文化的な特徴や個性を詰め合わせた「花見行李(ごうり)」を提案。界 アンジンでは、周辺を散歩しながら夜桜を楽しんだ後、海の見える客室でゆったりとティータイムを過ごせます。筆者は、夕食後おなかがいっぱいだったので、朝の散歩のあとにティータイムを楽しむことに。

紅茶を淹れてスイーツのカップケーキを並べ、桜のお花をあしらえば、あっという間に素敵なティータイムの準備が整いました。海が見える最高の眺望とともに、桜の花を愛でつつ楽しむお茶の時間。なんて幸せで満ち足りた時間なのでしょう。紅茶と一緒にいただくのは、みずみずしいフルーツがのったカップケーキ。思わず笑顔がこぼれる、界 アンジンでの滞在の締めくくりにふさわしい花見行李となりました。

ただひたすら海を眺めて過ごした1泊2日。思う存分満喫した滞在だったのですが、1泊2日じゃあっという間に過ぎてしまう。次に来るときは絶対に2泊以上したいし、またこのスイートルームに泊まりたい。心からそう思った2日間でした。大切な人と、ただ海を眺めてゆったりと過ごす。これ以上に幸せで満たされることってあるでしょうか。界 アンジンを後にする頃には、充電満タン、満ち足りた気分でいっぱいになっていること間違いなしです。

星野リゾート 界 アンジン

住所:静岡県伊東市渚町5-12

電話番号:界予約センター0570-073-011(10:00〜18:00)

HP:https://kai-ryokan.jp/anjin/

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[Photos by Aya Yamaguchi & Chika]

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