セキ・ユウティン 日本ツアーが一番好きな“華流美人プロ”が目指す「シード選手&初優勝」

1月から妹のユウリ(右)とともに沖縄で合宿中(本人提供)

【The インタビュー~本音を激白~(16)】2020、21年が統合されたゴルフの国内女子ツアーが今週の「ダイキンオーキッドレディス」(4日~、沖縄)で再開する。そんななか、飛躍が期待される選手の一人が昨年末の「JLPGA新人戦加賀電子カップ」で優勝したセキ・ユウティン(22=中国)だ。目標のシード獲得に向け、初戦が行われる沖縄で1月から合宿をするなど準備万端。大会2日目には、23歳の誕生日を迎える福井生まれの“華流美人プロ”を直撃した。

――もう4年プレーしていますが、なぜ日本ツアーに

セキ 日本(福井)で生まれて、5歳まで生活していたので親近感がありました。日本ツアーはレベルが高いですし、試合の雰囲気も好きです。ギャラリーも親切で、ゴルフに情熱を持っていると感じます。

――1年目は賞金ランキング78位と苦戦した

セキ 日本のコースにも慣れていなかったですし、飛距離も足りませんでした。1年目は32試合に出て体力も足りなかったので、シードを取ることはできませんでした。

――昨年は成績が一気に伸びた

セキ 日本のコースや生活に慣れて、飛距離も伸びました。1年目は1Wの飛距離が220ヤードでしたけど、20~30ヤード伸びて、今は240~250ヤードです。

――どうやって飛距離を伸ばしたか

セキ トレーニングを一生懸命にやったことと、昨年の5月からスイングを改造したことが大きいです。力を出す順序を良くして、スイングの円が大きくなるように調整しました。

――昨年5月というと、新型コロナウイルスの感染拡大によるツアーの中断中だ

セキ 試合がないですし、自分の一番弱いところ、特に1Wを練習しようと思いました。

――今年はさらに飛距離を伸ばす

セキ 昨年は後半に体力が落ちて、スイングも崩れて、その両方で飛距離が落ちてしまいました。今年は1年間、飛距離をキープするのが目標です。

――1月から沖縄で練習している

セキ このまま開幕(「ダイキンオーキッドレディス」)まで練習する予定です。妹(セキ・ユウリ=18)と一緒に練習する機会は少ないので、今は一緒にできてうれしいです。

――妹は3月からの「プロテスト」を受験

セキ 妹もレベルアップしているので合格してほしいです。一緒に日本ツアーでプレーできたら一番幸せで、寂しくないなと思います。

――日本語はかなり上達した

セキ 朝は集中力があるので、本を読んで日本語を勉強しています。“日本語タイム”をつくって、1時間、家族と日本語だけで話すこともあります。家族で私が一番、日本語が下手です。

――長く日本でプレーする

セキ 一番好きな日本ツアーでシードを取って、何年かしたら米ツアーにも挑戦したいと思います。五輪に出たいですし、米ツアーは世界ランクのポイントが高いですから。米国は移動なども大変だと思うので、若いときに挑戦できたらいいと思います。25歳ぐらいでしょうか。

――ゴルフ以外の時間はどう過ごしているか

セキ 読書と歌を歌うのが好きです。ストレッチの時は本を読んでくれるアプリを聴いています。メンタルの本が多いですね。それから、妹とダンスを始めて、今は(K―POPの人気ガールズユニット)「BLACKPINK(ブラックピンク)」の(メンバーの)「SOLO」という曲を練習しています。

――いつかダンスを披露する

セキ それは考えていませんでした(笑い)。

――今年の目標は

セキ シード選手になることと、初優勝を目指して頑張ります。

――そのために飛距離以外の課題は

セキ ショートゲームを練習しています。アプローチが良くなれば、ミスが怖くないですから、もっとピンを狙えると思います。

昨年12月10、11日に行われた「JLPGA新人戦加賀電子カップ」(千葉・グレートアイランドC)、セキは終盤の4連続バーディーで鮮やかな逆転優勝を遂げた。

自身のツアー最終戦から2週間後の大会を制し「シーズン中に崩れたスイングを修正している途中でしたので、調子がいいというわけではありませんでした」と話し、ルーキーイヤーしか出場できないとあって「一生に一度の試合なので集中していて、最後はゾーンみたいな感じだったと思います」と振り返った。メンタル本を読んでいる成果か、緊張もうまくコントロールできたという。

同週に開催されたメジャー「全米女子オープン」に出場した選手は不在だったものの、ルーキーナンバーワンの称号を手にし「自信にできたらいいなと思います」ときっぱり。一昨年のステップアップツアー「日医工女子オープン」でも優勝しており、今年こそレギュラーツアーでのVを目指す。

☆セキ・ユウティン 1998年3月5日生まれ。福井県出身。5歳で中国・上海に移住し、7歳でゴルフを始める。2014年にプロへ転向。16年に中国ツアー賞金女王となり、17年から日本ツアーに参戦。18、19年は主に日本のステップアップツアーと中国ツアーでプレーした。19年に3度目の受験で日本の「プロテスト」に合格。20年は12試合に出場し、15位以内が3回。賞金ランキング50位。171センチ、63キロ。

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