39歳・ウェインライト カ軍一筋16年目のシーズンがスタート

39歳の大ベテラン、アダム・ウェインライト(カージナルス)が日本時間3月3日に行われたマーリンズとのオープン戦で今季初登板。予定されていた2イニングをわずか20球でパーフェクトに抑え、ベテランの貫録を示した。今オフは他球団移籍の可能性も取り沙汰されたが、ウェインライトは「カージナルス愛」を貫いて残留を選択。先発ローテーションの一角としてはもちろん、チームの精神的支柱として今季も貴重な戦力となりそうだ。

2009年から2014年にかけて19勝以上を4度も記録し、サイ・ヤング賞の投票でも2位に2度、3位に2度ランクインしたウェインライト。ところが、2015年にアキレス腱断裂の重傷を負ったあとは以前の輝きが失われ、2016~19年の防御率は4.58という冴えない数字だった。しかし、昨季はチームで唯一規定投球回に到達し、5勝3敗、防御率3.15と復活。60マイル台まで球速が落ちたカーブで年下の打者たちを翻弄し続けている。

「数年前より良いピッチャーになっていると思う」と誇らしげに語るウェインライトだが、今オフは「新しい冒険をしてみたい」と他球団への移籍も検討した。他球団からカージナルスを上回る条件のオファーも届いていたが、15シーズンを過ごしたカージナルスへの愛着は強く、1月下旬にカージナルス残留を決断。自身が移籍もしくは引退すればローテ争いで有利になるはずの後輩投手たちが「残ってほしい」と声をかけてきてくれたことも残留という選択を後押ししたようだ。

マイク・シルト監督はウェインライトがチームを去る可能性について「他のユニフォームでプレーする姿は全く想像できなかったし、考えないようにしていた」という。「昨季、我々がクラスター発生を乗り越えてポストシーズンに進出できたのは、彼の存在が本当に大きかった」と指揮官はベテラン右腕の存在の大きさを誰よりも実感している。

「(他球団へ移籍して)新しい冒険をしてみたいとも思ったけど、同じチームで新しい冒険をするほうが良いと思った」と語るウェインライト。カージナルス一筋16年目となるシーズンを迎える大ベテランは、今季もシルトにとって頼もしい戦力となるに違いない。

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