名優ピーター・フォンダ、遺作でベトナム帰還兵の苦悩を体現 迫真の演技シーン解禁

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映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』ポスタービジュアル(C) 2019 LFM DISTRIBUTION, LLC

映画『キャプテン・アメリカ』シリーズの俳優セバスチャン・スタンが初主演を務め、2019年に死去した名優ピーター・フォンダさんの遺作ともなった映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』より、本編映像が解禁。ベトナム戦争で心に深い傷を負った帰還兵を演じるフォンダさんが、迫真の演技でその苦悩を体現する場面を収めている。

本作は、ベトナム戦争の“知られざる英雄の真実”に迫る実話を基にした社会派作品。監督・脚本は、リドリー・スコット監督作『白い嵐』の脚本で知られるトッド・ロビンソン

1999年のある日、国防総省空軍省のエリート職員ハフマン(セバスチャン)のもとに、ベトナム戦争の退役軍人タリー(ウィリアム・ハート)が訪れる。タリーは、当時自らの命を犠牲にし数多くの仲間たちの命を救ったウィリアム・H・ピッツェンバーガー(ジェレミー・アーヴァイン)に名誉勲章を与えるべきだと直訴。調査を開始したハフマンは、残された家族や退役軍人たちの証言によって、知られざる英雄の勇気ある行動に大きく心を動かされていく。

ピーター・フォンダさんが最後に見せた迫真の演技を解禁

名誉勲章授与に関わる退役軍人たちの証言を集めるため、ハフマンはジミー・バー(フォンダさん)のもとを訪れる。しかし、出迎えたのは彼の妻。ジミーは強迫性障害を患い、幻覚や過酷な戦場の記憶に苦しむ日々を送っているのだという。夜を恐れるあまり、日中に眠り、一晩中起きている昼夜逆転の生活となっているため「彼と話したいなら夜まで待って」と告げられる。

今回解禁されたのは、夜まで待ったハフマンが、ジミーと対面するシーン。車で居眠りするハフマンを起こしたジミーが、突然発砲するところから始まる。驚くハフマンに対して、「弾の入ってない銃はただの棒だ。閣下」と敬語を使うジミー。そんな予測不可能な相手に対し「ジミーと呼んでもいいかな? 私は民間人だ。“閣下”は要らない」とハフマンは冷静に語りかける。

■ベトナム帰還兵の苦悩を体現「俺はただ独りでいたいだけだ」

しかしジミーは、ピッツェンバーガーへの名誉勲章の件で訪れたというハフマンに「あんたなど知らん。俺はただ独りでいたいだけだ。俺は裏切られ、ひどい目に遭った。戦場で起きたことは誰も知らない。わかるか? 閣下」と、目に涙をためながら語気荒くまくしたてる。苛酷を極めた戦場で心に深い傷を負ったジミーの苦悩がひしひしと伝わってくる、フォンダさんの熱演が印象的な場面となっている。

映像の最後は、感情をあらわにするジミーにハフマンが「あなたを混乱させるために来たんじゃない。大切な証言だと聞いてここまで来た」と訴えるところで終了。本編ではその後、誠実に耳を傾けようとするハフマンと接するうちに、ジミーの表情が穏やかに変わっていく。そして、辛い戦場での記憶を語り始めるのだが…。

本作が遺作となったジミー役のフォンダさんは、1940年2月23日、ニューヨーク生まれ。父親はヘンリー・フォンダ、姉はジェーン・フォンダ、娘はブリジット・フォンダという俳優一家。大学卒業後ブロードウェイを経て、ロジャー・コーマン監督作『ワイルド・エンジェル』(1966)で主演を務め、翌1967年に『白昼の幻想』でデニス・ホッパーとジャック・ニコルソンに出会う。1969年にはデニス・ホッパー監督作『イージー・ライダー』で製作・脚本・主演を務め、一躍アメリカン・ニューシネマの旗手に。1997年の出演作『木漏れ日の中で』では、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞、オスカーにもノミネートされた。

映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』は3月5日より全国公開。