ソフトバンク・武田“和田勉”で完全復活なるか

テーマは「脱力投法」

完全復活なるか。ソフトバンクの武田翔太投手(27)が3日の中日とのオープン戦(ペイペイドーム)で4回を1安打無四球無失点の快投を披露し、開幕ローテ入りに向けて猛アピール。今季の武器として再び磨きをかけているカーブで4三振を奪うなど、快刀乱麻の投球で中日打線を寄せ付けなかった。

テーマにしているのが脱力投法だ。投球の中でギャップを作り、スピードガン表示より直球を速く見せることに取り組んでいる。相手打者の反応に「今の力感でスピードが上がっていけば」と手応えを口にした。

ここ数年は力強いボールを目指して腕を振ってきた。その一方で葛藤もあり「思いっきり投げた状態でうまくいかないなという感じだった」。そこでキャンプ中に直球の体感速度の速さで知られる和田に師事。「和田さんに勉強させてもらおうと思って、教えてもらってました」。球の出どころや力の抜き方などについて教わり「タイミングが合うなという感じだった」。

ルーキー時代の2012年には、同年限りで引退する現ヘッドコーチの小久保からマウンド上で「お前は日本を代表する投手になれるだけの力は持っている。意識を高く持ってこれからもやってほしい」とエールを送られた。実際、2015年に13勝、16年には14勝とステップアップしたが、17年以降は故障にも泣かされ、6勝→4勝→5勝→2勝と白星は伸び悩んだ。

鷹のエース候補も今季が節目の10年目。自身の停滞感に悔しさを感じている。和田の教えを無駄にはできない。開幕ローテ入りへ武田は「そこに関しては狙っていく立場にある。しっかりアピールしていければ」と静かに闘志を燃やしている。

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