初マラソン2時間8分台 三菱重工マラソン部 山下一貴(23) 「上出来」でも「次が大事」

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2時間8分10秒でゴールする山下=大津市皇子山陸上競技場(三菱重工提供)

 2月28日に滋賀県で行われた「びわ湖毎日マラソン」。42.195キロに初挑戦した三菱重工マラソン部の山下一貴が、初マラソン日本記録を2秒上回る2時間8分10秒でゴールした。黒木純監督にロードの適性を見込まれていた大卒1年目の23歳は「2時間10分切りが目標だったので、上出来だと思う。今の力は出し切れた」と手応えをつかんでいる。
 気象などの条件に恵まれたこの大会は、優勝した鈴木健吾(富士通)が2時間4分56秒で日本記録を塗り替えた。4位に入った三菱重工のエース井上大仁も2時間6分47秒の自己ベストをマーク。このほか、初マラソンだった2人が山下を上回る2時間7分台を出し、28位までが2時間9分を切るという異例の好記録ラッシュとなった。
 山下はこの流れにしっかりと乗った。「不安しかなかった」というスタートは位置が後方で、入りの1キロに3分12秒かかったが、徐々にペースを上げて第2集団についた。「いけるところまでついていこう」と30キロまで順調にラップを刻むと、35キロ以降は「脚が動かなくなる」というマラソンの“洗礼”を受けながらも粘走。順位は18位だったものの、自身やチームにとっても価値ある結果だった。
 三菱重工の2時間9分切りランナーは、これで6人目。中でも、初マラソンの8分台は最速だ。黒木監督が「井上と組んで練習させてもつけていた。7、8分台が出てもおかしくない準備ができていたので、期待通りに走ってくれた」と評したように、チームの積み重ねが生み出した8分台でもあった。
 自らが主戦場に狙うマラソンで好スタートを切った成長株。2024年パリ五輪も視野に入れながら「1年目にいいマラソンができたのは大きい。これが、たまたまだったとは絶対に言われたくない。次のレースが大事だと思っている」とさらなる飛躍を誓う。

 【略歴】やました・いちたか 長崎市出身。滑石中から陸上を始め、瓊浦高を経て駒大に進学。2年時から3年連続で箱根駅伝のエース区間2区(23.1キロ)、全日本大学駅伝の最長8区(19.7キロ)を担った。2020年に三菱重工へ加入。1年目から全日本実業団駅伝5区(15.8キロ)区間4位でチームの6位入賞に貢献した。自己ベストは1万メートル28分31秒89、ハーフマラソン1時間2分36秒。171センチ、54キロ。