「土砂採取、米国も当事者」 ハンストの具志堅隆松さん、海外メディアの会見で訴え

 戦没者の遺骨が眠る本島南部の土砂を名護市辺野古の新基地建設に使う計画の断念などを求め、ハンガーストライキを続ける沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)は4日、日本外国特派員協会の会見取材をオンラインで受けた。具志堅さんは沖縄戦で行方不明になった米兵らもいるとして「単に日本だけの問題ではなく、米国も当事者だ」と訴えた。ハンストは4日目で、県庁前には沖縄戦体験者の姿もあり、南部の土砂使用について「絶対に許されることではない」などと強調した。

 日本外国特派員協会の会見では、海外メディアから「南部の計画を止めたら辺野古の計画も止まると思うか」「中国の軍事拡張は恐れていないか」などの質問が出た。具志堅さんは「基地に賛成か反対か以前に、人道上の問題だ。戦没者が冒涜(ぼうとく)されようとしており、それを止めるストライキだ」と力を込めた。

 また、米陸軍の資料から沖縄戦で239人の米兵が行方不明になっていることや、朝鮮半島出身の犠牲者もいると指摘。問題となっている南部の採石場周辺では、今でも遺骨が見つかることなどを説明した。

 具志堅さんがハンストを続ける県庁前のテントには4日、沖縄戦で看護要員として従軍した那覇市の翁長安子さん(91)や、消息不明になった父の遺骨を探し続けてきた糸満市出身の上原美智子さん(85)=那覇市=らが激励に訪れた。マイクを握った翁長さんは、激戦地となった南部では戦後75年がたっても多くの遺骨が拾われずに眠っているとして「血や肉や骨が土に戻った場所を、辺野古の埋め土に使わないでほしい。人間として、法律の問題ではない」と語り掛けた。

 具志堅さんのハンストは6日までの予定。4日の体調について「頭の回転がペースダウンしていて、後遺症にならないか心配している。平衡感覚が少し衰えた気もするが、健康チェックはほぼ平常だった」と語った。 
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