沖縄戦遺骨眠る土、米軍基地の土台に利用か 「配慮する」も悼む思い伝わらぬ首相答弁

©株式会社京都新聞社

国会議事堂

 国会審議を取材して驚くことは度々あるが、これには耳を疑った。

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、防衛省は海の埋め立てに使う土砂の70%を、沖縄本島南部地域から採取する計画という。

 本島南部は、22万人以上が犠牲になった沖縄戦の激戦地だ。今も多くの遺骨が地中に眠る。その土を基地の土台に使う、というのである。

 沖縄県選出の赤嶺政賢衆院議員(共産党)が予算委員会で取り上げ、菅義偉首相や岸信夫防衛相に「人間のやることではない」と質した。語気が強まるのも当然だろう。

 米軍の猛攻撃で首里城の日本軍司令部は陥落したが、南部へ撤退しながら戦闘を続けた。そのため多くの住民が巻き込まれた。

 赤嶺議員は元首相の故小渕恵三氏が学生時代から沖縄での遺骨収集に取り組んでいたことに触れ、「以前の自民党は(沖縄で)やってはいけないことを知っていた」と指摘した。

 菅首相は「(土砂利用は)確定していない」としながら「遺骨に十分配慮するよう業者に求める」とそっけない。どう「配慮」させるのだろう。土をふるいにかけろとでもいうのか。答弁から戦没者を悼む思いは伝わってこなかった。

 本土防衛のための盾とされた沖縄では、京都や滋賀の兵士も戦死した。糸満市の「平和の礎」には京都2546人、滋賀1691人の名前が記されている。すべての遺骨が沖縄から故郷に帰ったわけでは、もちろんない。