最近では伝統工芸の技術を使ったスマホケースやアクセサリーなど、おしゃれな小物もたくさん販売されており、伝統工芸品を身近に感じることも多くなりました。
そこで、せっかくなら自宅を福井県の伝統工芸品でいっぱいにしてしまおう!!
題して!「福井県の伝統工芸品と暮らす」、というテーマの元、できる限り暮らしに伝統工芸品を取り入れることにしました。
伝統工芸品とは
伝統工芸品とは、経済産業大臣が指定する、歴史ある工芸品のこと。
- 主として日常生活で使われるもの
- 製造過程の主要部分が手作り
- 伝統的技術または技法によって製造
- 伝統的に使用されてきた原材料
- 一定の地域で産地を形成(一定の地域で、ある程度の規模の製造者があり、地域産業として成立している)
の5つの要件が必要です。
詳しくはこちら>>福井県の伝統工芸品&ものづくり12選
「伝統工芸品」がどういうものなのか全く知らなかった頃の私は、その言葉を聞いて、「芸術品」「骨董品」のようなイメージを持っていました。
もちろんそういった側面もありますが、「主として日常生活で使われるもの」という定義があるように、実は、暮らしに取り入れられるものがたくさんある…というか、普段の暮らしにこそ取り入れるべきものなんだ、と今では思っています。
そこで、「福井県の伝統工芸品と暮らす」というテーマで伝統工芸品を紹介することにしました!
工房によっては工場見学や手作り体験をさせていただけたところもあったので、詳細はそれぞれの記事でご覧ください。
越前和紙の間接照明で照らす
部屋の雰囲気を大きく変える大事なポイントである間接照明は、越前和紙を使ったものを置いてみました。
明かりを消すとよくわかりますが、外側は全て和紙でできています。
このおしゃれな間接照明を作ってくれたのは、越前市にある『長田製紙所』さん。
越前和紙の象徴でもある襖紙を手漉きしている数少ない会社であり、襖を含むインテリア和紙を中心に手がけています。
美しい模様は、「飛龍」という絵柄を漉き込む技法を用いて手で作っています。
和紙の原料に、トロロアオイという植物の根っこから抽出した粘液を独自の方法で混ぜ合わせ、粘度を高めてこのように絞っているそうです。
デザインや大きさによっては、紙の部分をつくるだけで8時間もの時間がかかるんだとか。
もはやアートと呼べる作品が自宅にやってきたことが本当に嬉しいです!
間接照明の詳細はこちら>>職人さん手作りの越前和紙間接照明♡柔らかい光がリビングに広がります
越前箪笥風のテーブルでくつろぐ
テーブルは、越前箪笥の技術を用いたオーダーメイド品。
製作にもしっかり携わらせていただきました!
奈良時代から伝わると言われている越前箪笥。
越前指物の技術や、鉄製金具、漆塗りで装飾されるのが大きな特徴です。
今回は、金具削り、
真綿焼き、
組み立てや金具取り付けなど、
ほとんどの工程で製作に携わらせていただきました!
越前箪笥風テーブルの製作の様子はこちら>>小柳箪笥でオリジナルの家具を注文&手作り体験しました!
越前打刃物の手作り包丁で料理する
刃物産地としては初めて伝統工芸品に指定された、越前市の『越前打刃物』。
1337年(南北朝時代)に、京都の刀匠・千代鶴国安が刀剣制作に適した地を求めてこの地を訪れたことをきっかけに、周辺の農民のための鎌づくりが始まり、やがて包丁などの刃物づくりの地へと変化していきました。
火づくり鍛造技術、手仕上げという伝統を今でも守り抜いています。
今回は、4年待ちのステーキナイフが話題を呼んでいたり、5年連続グッドデザイン賞をしたりするなど、伝統を守りながらも新しいものづくりを進めている龍泉刃物さんで、包丁作り体験を行いました。
体験の様子はこちら>>世界で1本だけのマイ包丁!龍泉刃物で越前打刃物の包丁づくり体験をしてきました
越前漆器でいただく
毎日の食卓には、結婚祝いにいただいた越前塗りのコップと土直漆器さんのお箸を使っています。
越前漆器は鯖江市の河和田地区で生産される伝統工芸品。
眼鏡、繊維とともに鯖江市の三大地場産業にも数えられています。
その歴史は大和・飛鳥時代にまでさかのぼるほど長きに渡るもの。
近くに来た皇子のころの継体天皇が、片山集落(現在の河和田地区にある片山町)の塗師に冠の塗り替えを頼みます。
その際、併せて献上された黒漆の椀の光沢の見事さに深く感銘して奨励されたことが、越前漆器の始まりと言われています。
約1500年も続くその伝統は、プラスチック素地の導入やシルクスクリーンによる絵柄の印刷技術なども取り入れながら、時代に合わせて変化しており、現在の業務用漆器の8割のシェアを占めています。
越前漆器の詳細はこちら>>越前漆器とは?歴史・工程・体験施設などをご紹介します!
【郷土工芸品】越前和蝋燭を灯す
福井県には、伝統工芸品だけでなく、石田縞、福井仏壇など、県で指定している郷土工芸品も28品目あります。
その中の一つ、越前和蝋燭。
お寺や仏壇で使うイメージの強い和蝋燭ですが、大本山永平寺御用達でもあり、福井市で和ろうそく・薫香等の製造、販売をしている『小大黒屋』さんは、とってもおしゃれなろうそく「灯ノ香(ほのか)」を取り扱っています。
これまでの和ろうそくの形を継承しつつも、デザインはかなり現代風。
フローラル系(凛)、森林系(爽)など、香りつきのものもあるので、アロマキャンドルとしても使えます。
私も実際に使ってみましたが、とても上品な香りなので、キツイ匂いが苦手な方でも使いやすいと思います。
時間が経つと中心だけが溶けていくので、周りのロウ越しに見える柔らかな炎の光がとっても綺麗。
伝統工芸品の越前和紙をあしらった大きなものもありますよ!
私は自宅リビングにこちらを置いています!
詳細はこちら>>郷土工芸品の越前和蝋燭がおしゃれなキャンドル風に♡インテリアとしても優秀な『灯之香』
【番外編】ふくいブルーの酒杯で呑む
伝統工芸品や郷土工芸品ではありませんが、福井でしか採掘されず、現在はもう採石されていない『笏谷石』を使った『ふくいブルー』をご存知でしょうか。
水に濡れると深い青色に変化する特徴があるので、お酒や飲み物を入れると美しく輝くんです。
毎日の晩酌にはふくいブルーの酒杯を使っています。
それだけでとっても贅沢な気分に♡
詳しくはこちら>>お酒を入れると深い青色に。ふくいブルーの美しい酒杯
現代風にアレンジされた意外とリーズナブルなものから、しっかり高級なお値段のものまでさまざまな伝統工芸品があります。
伝統工芸品で日常を彩ってみたいという方には、食器などの身近なものから揃えるのがおすすめです。
体験ができる工房もたくさんあるのでチェックしてみてください!
各施設、店舗へのアクセスなどは以下でご紹介しています。