長崎県企業初 伊東精麦所(諫早)が特別賞 「食と健康アワード2021」

大麦のぬかから抽出した健康食品で「食と健康アワード2021」特別賞を受賞した伊東社長(中央)ら=諫早市、伊東精麦所

 長崎県諫早市津久葉町の精麦製造業「伊東精麦所」が製造特許を持つ栄養補助食品「大麦ポリフェノール」「大麦ベータグルカン」など3商品が、ヘルスケア関連情報紙などが主催する「食と健康アワード2021」で、健康食品部門の特別賞「JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)事務総長賞」を受賞した。本県企業で初めて。

 同アワードは月刊H&Bリテイル(ヘルスビジネスメディア刊・東京)と同協会が共催、4回目。今回、5部門に89商品が応募。伊東精麦所は大麦のぬかから抽出し、顆粒(かりゅう)にした2商品と県産裸麦(御島裸)を使った「押麦(おしむぎ)」をエントリー。大手メーカーが上位を占める中、グランプリと準グランプリに続く快挙。大麦の健康効果に着目し、製造特許に取得した点や地方の中小企業の開発意欲が評価された。
 同社は1928年創業。国産大麦を味噌(みそ)や麦焼酎、食麦向けの製品に加工。加工過程で生じるぬかに着目し、県工業技術センター(大村市)と2013年から共同で研究。ぬかには、血中コレステロールを下げる水溶性食物繊維のベータグルカンと、活性酸素を抑える植物性ポリフェノールがあることが判明。15年、大麦由来のポリフェノール製造方法と大麦外層ぬかの回収装置、大麦ぬかの回収方法製法の特許を取得、商品化にこぎつけた。
 伊東清一郎社長(70)は「健康の基本は食。人生100年時代、健康年齢を上げる力が大麦にある」と快挙を喜ぶ。同社は食品安全の国際基準「FSSC(食品安全マネジメントシステム)22000」を昨年、認証取得。品質管理基準の「エコアクション21」でも表彰されている。
 受賞商品は▽九州産大麦ポリフェノール(3.5グラム30包、3240円)▽九州産大麦ベータグルカン(同)▽押麦(1キロ、価格は同社に問い合わせ)。同社(電0120.169.055)。

© 株式会社長崎新聞社