指原莉乃の「新公演」どうなった? 発表からもう2年...HKT運営が放置する「未発表曲」の行末

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指原莉乃さん(28)がHKT48に残した置き土産の行方が不透明になってきた。指原さんは19年4月のグループ卒業時に新公演を書き下ろすことを発表していたが、2年が経とうとする21年3月時点でも上演されないままだ。

この間、20年春にHKT48の運営体制は一新。新公演の見通しを聞かれた指原さんは21年3月3日のツイッターで「新社長からLINEのお返事が返ってこなくてもうずっと止まってます」と現状を明かした。指原さん卒業直後の19年のコンサートツアーではサブタイトルに「あの支配人からの、卒業。」を掲げたHKT48。こんな形でグループは指原さんから「卒業」してしまうのか。

「『今、これだけ月が満ちているんだよ』と思ってもらえるように」

指原さんが19年4月の卒業コンサートで発表した「置き土産」は2つ。メンバーの村重杏奈さん(22)を芸能事務所「TWIN PLANET」に移籍させることと、新公演を書き下ろすことだ。前者はほどなく実現し、村重さんがバラエティー番組で活躍する機会が増えた。懸案は後者だ。

新公演のタイトルは「いま、月は満ちる」。指原さんは卒業コンサート終演後の取材で、自らの卒業や、日韓合同ユニットIZ*ONE(アイズワン)の活動や休養でグループを離れている、宮脇咲良さん(22)、矢吹奈子さん(19)、兒玉遥さん(24=19年卒業)の名前を挙げながら、

「パワーダウンしたと思われないように、『今、これだけ月が満ちているんだよ』と思ってもらえるように」

とタイトルに込めた思いを説明。卒業直後の19年5月に福岡市内で開いた「大感謝祭」コンサートでは、「16分の1だから、まだまだなんだけど、書き始めたら速いから!」と断りつつ、1曲目の表題曲を自ら披露した。

それ以降は表だった動きが途絶えるが、指原さんの卒業発表から丸1年の節目にあたる19年12月15日には、指原さんが

「新公演なんですがHKT側からの日程の指示待ちです わたしは頑張ってます」

と状況をツイートしていた。

運営体制の一新で「会話ができなくなっちゃって」

20年春には、HKT48の運営会社が旧AKS(現・ヴァーナロッサム)から独立し、「マーキュリー」として新体制がスタート。代表取締役にはAKS執行役員などを歴任した、エイベックス出身の前田治昌氏がついた。

その後もSNSで指原さんに対して新公演の状況について聞く声は絶えず、卒業コンサートから丸1年の4月28日には

「そこは私じゃなくてHKTさん新会社にお願いします」

と返信。10月31日の動画配信では、視聴者からのコメントに反応する形で、さらに踏み込んだ。

「めちゃめちゃ止まってて...。でも曲はほとんどできているので、いつでもこちらは始められます。でもね、やっぱり会社が変わっちゃったじゃないですか。だから、知っている人がマネジャーぐらいしかいなくなっちゃって...。会話ができなくなっちゃってね、止まっちゃってるんですよね。まぁ予算とかもあるしね。私、すっごいこだわり派だから、全部ちゃんとやりたいんですよ。...てなったら、やっぱりお金がかかっちゃうから、やっぱりね、なかなか始められないんですよね...」

「新社長からLINEのお返事が返ってこなくてもうずっと止まってます」

21年3月3日には、指原さんとHKT48運営会社との間のコミュニケーション不全が、改めて明かされた。自らがプロデュースするグループ「=LOVE(イコールラブ)」「≠ME(ノットイコールミー)」向けに新曲12曲を書き上げたという指原さんのツイートに、やはり新公演の状況について返信する人がいたことを受けての反応だ。

「みんな気にしてると思うので書きますが、新社長からLINEのお返事が返ってこなくてもうずっと止まってます。。気になってる人も多いと思うので正直に ごめんなさい」

さらに、泣き顔の絵文字を交えながら、コストが上演のハードルになっているとの見方を改めて示した。楽曲は「厳重保管中」で、指原さんとしては準備が整っていることも強調した。

「私のやりたい事を叶える(普通が好きなので普通のシンプルな公演ですが)スタッフを揃えるのはお金がかかる事だと思うし、HKTはHKTで新しい事をちゃんと始められているし、仕方ないことなのかも...と思ってます でも新公演用の曲はプロデュースしてるアイドルに流したりもちろんしてないし厳重保管中」

コロナ禍で活動が大幅に制限された新会社の1年

HKT48は、フルリモート劇団「劇団ノーミーツ」のサポートを受けながら、HKT48のメンバーが企画・脚本・演出・宣伝・上演などを全て担当するプロジェクト「HKT48、劇団はじめます」の作品を21年2月に上演し、アイドルファン以外からも高い評価を得た。これが指原さんの言う「新しい事」のひとつだとみられるが、新体制発足からの1年は総じて厳しい経営を迫られた。

20年4月に新曲「3−2(さんひくに)」を発売したものの、コロナ禍でプロモーションの機会はきわめて限られた。20年春を予定していた新劇場のオープンも11月にずれ込み、その後も座席数を減らしての公演や、緊急事態宣言の再発令後は無観客での公演を余儀なくされた。こういった対応でグループとしての売り上げが減る一方で、グループを維持するための固定費は必要で、新規の投資が困難になっている可能性もある。

活動スケジュールとの兼ね合いも課題だ。いったんは新曲の発売が21年3月10日に計画されたが、緊急事態宣言の再発令で延期が決まっている。グループが拠点にする福岡市では宣言が2月28日に解除されたことを受け、今後はレコーディングやミュージックビデオ(MV)撮影の動きが活発化するとみられる。仮に何らかの形でコストの問題が解決できたとしても、新公演に向けた動きが本格化するのは新曲関連の活動が一段落してからになりそうだ。

運営会社「御回答は差し控えさせていただきます」

HKT48の運営会社に対して(1)新公演はいつの上演を予定しているか、目指しているか(2)なぜ上演までに時間がかかっているのか。指原さんが指摘するように、コスト面が原因なのか(3)なぜこのような状況になったのか。どのようにして改善していくか、について見解を求めたところ、広報担当者は

「いただきました内容に関しまして、御回答は差し控えさせていただきます」

と返信。指原さんのツイートや発言に事実誤認や見解の相違があるかどうかを含めて、コメントしなかった。

ただ、指原さんとHKT48運営会社の距離と、グループそのものや、メンバーとの距離感は、また別のようだ。指原さんのツイッターアカウントのヘッダー画像には、今でもHKT48のコンサートの画像が設定されている。新劇場オープン時には指原さんの名前が入ったスタンドフラワーが飾られた。ツイッターでのHKT48メンバーとのやり取りも多い。指原さんは事態を明かした投稿の直後のツイートで、

「HKTメンバーを寂しい気持ちにさせるのが嫌なのでちゃんと明るいこと言いますが、社長とラインアイコンと私のツイッターアイコンは、似てます」

とフォロー。村重さんが8分後に

「今年1番わろてる 俺らはどんな時も指チル♪」(編注:指原チルドレン)

と返信している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)