【新型コロナ】黒岩知事「宣言延長やむを得ない」 協力金要件に「マスク飲食推奨」も

緊急事態宣言の延長を受け、県民にメッセージを出す黒岩知事=5日夜、県庁

 首都圏の1都3県で緊急事態宣言が再延長されたことを受け、神奈川県は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開いた。黒岩祐治知事は「神奈川だけで見ると解除できる状況だが、県内も下げ止まりの傾向にあり、宣言延長はやむを得ない」と語り、「皆さんと心を一つにしてこの緊急事態を乗り切りましょう」とのメッセージを発信した。

 県内の感染状況は減少傾向が続いていたが、5日の新規感染者数は131人で、3日連続で前週の同曜日を上回るなど、下げ止まりの傾向が顕著になっている。

 県は宣言の2週間延長に伴い、8日から21日まで県内全域の飲食店などに引き続き午後8時(酒類提供は同7時)までの営業時間短縮を要請する。宣言解除後は段階的な緩和措置として22日から31日までの10日間、午後9時(酒類提供の時間は未定)までの時短営業を要請する。

 要請に応じた店舗には延長期間は1日6万円、緩和措置期間は1日4万円の協力金を支給する。これまで協力金の支給要件として感染防止対策取組書の掲示を求めていたが、今回新たな措置として会話時はマスクを着用する「マスク飲食」の推奨を要件に追加。知事は「昼夜問わずマスク飲食を」と訴え、店舗で張り紙や卓上ポップを通じて呼び掛けてもらう。

 県は飲食店など約5万2700店舗を対象に31日までの協力金として事務費を含め計約660億円を計上。補正予算案を県議会に近く提出する。

 この日は1都3県の知事によるテレビ会議も行われ、昨年3月以降に花見の時期などを経て最初の緊急事態宣言につながった経緯を教訓に「1年前を思いだそう」と呼び掛ける共同メッセージをまとめた。

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