ウイリアムズF1が2021年型マシン『FW43B』をアンベイル。ランキング最下位からの脱出を目指す

 3月5日(金)、ウイリアムズ・レーシングは、2021年型マシン『FW43B』を発表した。チームは2021年もジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィを起用することを決定しており、コンストラクターズ選手権最下位からの脱出を目指す。

 2020年は、ウイリアムズにとって激動の1年だった。新型コロナウイルスの影響でシーズン序盤のレースが軒並み延期や中止となるなか、ウイリアムズは5月にチーム売却を検討していることを発表。同時に、タイトルスポンサーを務めていた携帯電話会社『ROKiT』との契約も終了した。

 8月にはアメリカの投資企業『ドリルトン・キャピタル』がチームを買収したことが明らかになった。また、買収に伴いチーム創設者のフランク・ウイリアムズと、副チーム代表を務めていた娘のクレアが第8戦イタリアGPを最後にチームを離れ、43年にわたるウイリアムズ家の運営が幕を閉じた。

 この年はチームで2年目を迎えたラッセルとルーキーのラティフィを起用したが、厳しい戦いが続く。それでもラッセルは10回のQ2進出を果たし、チームとともに大きく飛躍したが、ウイリアムズはチーム史上初めて無得点でシーズンを終えることになってしまった。なおラッセル自身は、新型コロナウイルスに感染し第16戦サクヒールGPを欠場したルイス・ハミルトン(メルセデス)の代役を務めた際に9位に入賞してポイントを獲得している。

 2021年シーズンに向けては、臨時のチーム代表を務めていたサイモン・ロバーツが正式にチーム代表となり、ヨースト・カピートを新たにCEOに迎えた。またウイリアムズからF1デビューを果たし、2009年にF1チャンピオンに輝いたジェンソン・バトンがシニアアドバイザーに就任した。

 ウイリアムズは今回の発表に先立って、2月17日(水)にFW43Bのシェイクダウンを行っており、予定されていたプログラムをすべて完了したとのことだ。今シーズンはなんとかポイントを獲得し、中団勢の争いに絡んでいきたいところだ。

 なお今回のマシン発表に伴い、ウイリアムズはARを使用してFW43Bの実物大3Dモデルを投影できる試みを行う予定だったが、専用のアプリがハッキングの被害に遭ってしまったため断念している。

ウイリアムズF1の2021年型マシン『FW43B』

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