【MLB】大谷一問一答「最初は軽くいこうかと」215日ぶり実戦登板で最速161キロ5奪三振

今OP戦初のマウンドに上がったエンゼルス・大谷翔平【写真提供:Angels Baseball】

1回2/3で3安打1失点、全アウトを三振で奪った「真っすぐ、スプリット」

■アスレチックス – エンゼルス(オープン戦・日本時間6日・メサ)

エンゼルスの大谷翔平投手は5日(日本時間6日)、アリゾナ州メサで行われたアスレチックスとのオープン戦で今季初の実戦登板。1回2/3で5奪三振2四球、3安打1失点に抑えた。フォーシームの最速は100マイル(約160.9キロ)だった。

初回。先頭・カンハをフォーシームで見逃し三振。アンドラスに左翼線二塁打とされたが、オルソンを最速100マイル(約161キロ)のフォーシームで空振り三振。チャップマンへ四球を与えたものの、モアランドをスプリットで空振り三振に仕留めた。

2回は先頭・ラウリアーノの左中間二塁打。ピンダーを空振り三振に抑えた後、ケンプに右中間へ適時二塁打を許した。ガルシアには四球を与えたが、続くカンハをスプリットで空振り三振に仕留めた。41球を投げたところで降板。24球がストライクだった。

大谷は昨年8月2日(同3日)の本拠地・アストロズ戦後に右前腕の筋損傷が判明。その後は打者に専念し、2試合登板、0勝1敗、防御率37.80に終わった。2月27日(同28日)のキャンプ2度目のライブBP(実戦形式の投球練習)で最速100マイル(約161キロ)をマーク。キャンプ中に大台超えするのは日米通じて初めてだった。この日の実戦登板は215日ぶりだ。登板後の取材対応では充実した様子で振り返った。

――実戦初登板を振り返って。
「球数をしっかり投げられたし、ランナーを背負った投球は実戦でしか出来ない。そこも良かったかなと思います」

――去年は腕を振り切れてなかったと話していた。
「最初だったので、比較的軽くいこうかと思っていた。特にカウント球は。そういう感じでいったんですけど、最後の方の決めに行く時は引っ掛け気味。球は力んでいたので、そこは実戦ならでは。最後決めにいく時も、いいリリースで投げられればいいのかなと思いますね」

――マドン監督は中5日で回る予定と話していた。
「実際にやってみないと、どういうサイクルで回っていくか分からない。1試合、2試合だけで状態が分かるわけではない。10試合、20試合投げた時にどうなるか。特に後半はそんな感じになるのかなと思うので。そういう間隔で投げられればベストだと思いますし、それが出来るような調整が望まれていると思います」

――スケジュールで調整が必要と。具体的には。
「ブルペンの球数も考える必要があるし、日々のキャッチボールの強度も毎日全力で投げればいいというわけではないと思うので。これまで中6日のスケジュールで自分がどういうふうにやればいいか、相談しながら決めてきましたけど、1日違うのは投手にとって違うことだと思うので。そこは経験しながら、どれが合っているか確かめる必要があると思います」

マドン監督は中5日で登板させる考え「臨機応変に対応できたら」

――球速はどれぐらい気にしているか。目安になるか。
「目安にはなると思います。今日は走者を背負う場面が多かった。実戦でしか出来ないことに、よりフォーカスしてやっていければと思います。球速は必然的に上がってくるものかなと思っている。結果的に目安にできればと思います」

――打者の反応は。
「カウント取りにいったスライダーは抜けているボール、あまり変化しきれてないボールになっていた。そこが変化しながらカウントを取れれば、もう少し楽になるかなと思います。比較的真っすぐは良かったし、スプリットは変化が良かった。そこは良かったかなと思います」

――前回はスプリットに満足していなかった。
「スプリットは満足してますね。スプリットは決め球でしか使わないようにしていた。カウントからどんどん投げるボールもいいですし、カウントのスライダーがいまいちだった。そこが良かった点と悪かった点かなと思います」

――今年のキャンプはどれぐらい楽しめているか。
「去年も一昨年もだいたいリハビリのメニューが入っていたので。ちょっと楽しむ余裕がなかったのかなと思います。一方、打者の方は何も考えずにやってきたことをゲームを出していければいいかなという感じなので。集中するべきところは投手のところ。そこを集中して楽しめたらと思います」

――マドン監督でプレーするのは自分にとってどんな意味を持つか。
「ずっとテレビで見てきたので。テレビの中の人というか、そういう人と一緒にやるのは素晴らしいことだと思います。今までやってきた監督もどの方も素晴らしかったですけど、みんなやり方や色が違うので。去年1年だと短すぎて分からないと思うので、今年は色々と楽しめたらと思います」

――投手で中5日で回れば、打者としてはどのような影響があるか。
「どうですかね。必ずしも中5日とは分からない。相手とのカードの違いで短くなったり長くなったりする。もしかしたらそうなるかもしれない。それによって出る試合、出られない試合というか、監督が使いたい試合、使いたくない試合が出てくると思うので。臨機応変に。絶対にこうしなきゃならないではなくて、臨機応変に対応できたら」

――決めにいく時に引っかけてしまった。腕が振れている感じは。
「最初の実戦だったので、全部が全部思い切り振るというわけではなくて、どちらかといったら全体的に抑え気味にいこうかなという感じではあったので。決めにいこうとした球は引っかけ気味で、『タイミングが早いな、力んでいるな』という感じがしたので。実戦ならではというか、そういう時にも自分の順序でいいリリースをにしたいなと思います」

――敵地の前でお客さんの前でマウンドで投げた。
「どうですかね。敵地、敵地じゃないとかは関係ないかなと思います。比較的エンゼルスのファンの方も来て頂いていたのですごく楽しかったですね」

投手復活へ手応え「近づいてはいる」

――直球の質は試合状況でどう変わったか。再現性は。
「さっきも言ったんですけど、決めにいった球が特にひっかかるボールが多かったので、ちょっと投げにいくタイミングが早いだけなので、特にランナーを背負った時に目線も1回切っていますし、それによって踏み込みのタイミングと振るタイミング、そこに少しズレが出てくるとそういう球が多くなってくる。特に決めに行ったような球っていうのはもうちょっと力入れてやろうとか欲を出しがちなので、そういところでストレートの質は変わって来るかなと思います」

――最速100マイル。自身の感覚と数字は。
「決めにいった球なのかなという感じです。全体的なカウント球とか、基本的には決めにいった球っていうよりかは、カウントを整えるとかとかファウルを打たせるとか、そういう球のほうが全体的の割合としてはやっぱり多くなっていくので、そういうところの球速とか回転効率とか上げていけるなら全然いいんじゃないかなとは思います。マックスがいくつかというのは、そこは基準でしかないので」

――右肘のなじみ方、メカニックの部分。
「しっかりと前に乗り切っている時っていうのは比較的指のかかり的にもいいのかなという感じはするので。さっきから何回も言っているんですけど、ランナーがいる時、特に実戦でしかないシチュエーションなので、そういう時にもしっかりとそういうメカニック的な順番を守っていく。試合のなかで考えるの難しいので、自然とそうなるように、実戦の中でやっていくのが一番かなと思います」

――三振をとった球は全てスプリット?
「真っすぐ1個ですかね。スプリットはどうですかね。3個は覚えていますけど。定かではないです。すみません」

――昨季の状態と雲泥の差を感じるか。
「どうなんですかね。いきなり飛び越えて状態が良くなるとかっていうわけではないので、良くなって悪くなって、良くなって悪くなって、良くなって悪くなってっていうのは、ちょっとずつ上っていくような感覚なので。去年と比較がしにくいというかちょっとあるかなと思います。確実に良くはなっているけど、どのくらい良くなっているか体感としては分かりにくいかなと思っています」

――18年とか日本ハムの時に近づいているか。
「近づいてはいると思います。日本ハムの時も18年の時もどういう感じだったのかなと思い出しづらい部分はあるんですけど。まあ、近づいているのかどうなのか。術後からどんどん良くはなっている。過去と比較はしづらいのかなという感じですね」

――抑え気味の中でも100マイルが出た。左膝の状態が違うのが大きいか。投球と関連は。
「ピッチングでなかったかなと思いますね。特に前足乗り切る乗り切らないというところで、去年、左膝が良くなかったなという感じはしなかったので。特にバッティングの方では感じてましたけど、特に軸足の方だったので、ちょっと踏ん張りにくいなとか、そういうなのはありましたけど。ピッチングでは特に体感ではなかったかなと思います。もしかしたら知らない間にあったかもしれない」(Full-Count編集部)

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