沖縄戦時の県知事・島田叡追うドキュメンタリー 沖縄先行上映スタート 佐古忠彦監督「作ってよかった」

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太平洋戦争中最後の沖縄県知事となった島田叡を追ったドキュメンタリー映画「生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事」の、沖縄・桜坂劇場での先行上映が6日にスタートした。初回、2回目の上映は満席(コロナ感染対策のため定員は半分の160名)となった。

上映後に舞台あいさつをした佐古忠彦監督は、「コロナ感染もあり、初日にどのくらいの方に来ていただけるか、沖縄の方にどう響くのか、とても気になって昨夜はよく眠れなかった。でも、上映後に起こった拍手を聞いて、この映画を作ってよかったと思いました。戦時中の沖縄で何が起こったのかを描いていますが、今にも続く話でもあるし、国の在り方を問うテーマでもあって、本土の多くの人にも見ていただいて、いろんなことを感じてほしいです」と語った。

観客層は50代から60代の男女が中心で、親子連れや学生の姿も見られた。映画の観客は、「今までよく知らなかった島田叡という人の人生が、ズシンとくる感じで伝わってきた。リーダーのメッセージ、言葉がとても重いものだということをあらためて思いました」などの感想を述べていた。また、桜坂劇場の関係者は、「少なくとも5月までは上映を続け、一人でも多くの沖縄県民にみてほしいと思います」とロングランでの上映を明かした。

「生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事」は、捕虜になるよりも玉砕こそが美徳とされた時代に、周りの人々に何としても「生きろ」と言い続けていたという島田に迫った作品。監督は、ドキュメンタリー映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」2部作で注目を集めた佐古忠彦が務め、知られざる沖縄戦中史にスポットを当てる。3月20日からは東京・ユーロスペースでの上映がスタートし、全国で順次公開される。

生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事
2021年3月6日(土)より沖縄・桜坂劇場 先行公開 3月20日(土・祝)より東京・ユーロスペースほか全国順次公開
配給:アーク・フィルムズ
ⓒ2021 映画『生きろ 島田叡』製作委員会

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