長崎県島原半島と熊本県天草地域の両エリアにまたがる広域サイクリングルート設定に向け、県島原振興局が4、5の両日、モニターツアーを初めて開いた。本県と熊本県の自転車愛好家や行政関係者ら約20人が参加。2日間で計約121キロを走行し、サイクリングと観光を組み合わせた「サイクルツーリズム」による地域振興の可能性やルート案、課題などを検証した。
両エリアには、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する原城跡(南島原市)と崎津集落(天草市)がある。資産を生かしたサイクルツーリズムの推進を図ろうと、天草地域観光推進協議会が県島原振興局に提案し実現した。
2日間にわたる同ツアーには、島原鉄道(島原市)が協力。口之津(南島原市)-鬼池(天草市)間のフェリー航路と島原港-本諫早間の鉄路も活用した。
初日の4日、参加者は鬼池港を起終点に周辺の35.4キロを自転車で散策。その後、フェリーで口之津港に到着し、原城跡周辺などを巡りながら島原市内の宿泊先まで35.8キロをサイクリング。
計71.2キロ走破後の意見交換会では、「段差があったり路肩が狭かったりして走りにくい場所があった」「天草側は比較的平たんで車も少ないが、島原側はアップダウンを繰り返し車の交通量も多い点が気になった」「自転車でも足を止める仕組みが必要」などの意見が上がった。
2日目の5日は、島原市から諫早市まで鉄路を利用した後、諫早市から長崎市までサイクリングした。
島原―天草「サイクルツーリズム」検証 県島原振興局がモニターツアー
- Published
- 2021/03/06 23:35 (JST)
- Updated
- 2021/03/07 11:11 (JST)
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