世帯年収1150万30代男性「マンションを買うなら新築か中古リノベ、どちらがお得?」

30万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターのアドバイザーが、住まいの悩みに答えるシリーズ。最近よくいただくご相談内容をご紹介しながら、お悩み解決につながるポイントを解説します。

現在、賃貸マンションに夫婦2人で暮らしています。近い将来は、子どもも1、2人もちたいと思っています。

家賃の掛け捨てはもったいないので、できるだけ早く家を購入したいと思っています。最近、新築と中古、どちらを買うべきか迷い始めました。

当初は新築しか考えていなかったのですが、テレビで中古マンションを買ってリノベーションした家を見て、安く購入しておしゃれにできるなら中古もいいのではという考えも浮かびます。新築と中古、どちらがお得なのでしょうか。

【相談者プロフィール】

・本人:30代会社員

・家族構成:妻(会社員)

・現在の居住形態:賃貸マンション

・世帯年収:1150万


スーモカウンターアドバイザー: 最近はおしゃれな中古のリノベーション物件を紹介するテレビ番組などが多いこともあり、新築と中古を並行検討する方も増えてきているようですね。今回は、これから子育て家族となる夫婦の、新築・中古、どちらがお得かといったご相談です。考えるべきポイント、それぞれのメリット・デメリットを整理してアドバイスします。

約半数の人が新築・中古マンションを並行検討

新築・中古マンションは、よく並行検討されているというデータがあります。

以下は、新築マンションを契約した人へのアンケートからわかったデータです。2019年では、新築・中古マンションを並行検討した人が47.1%、さらに子育て世帯では49.9%と約半数いたことがわかります。

2010年代前半は全体で45%前後だったものが、後半は47%前後に。つまり、並行検討した人は、ここ数年で増加傾向にあるといえます。

出典:リクルート住まいカンパニー「2019年首都圏新築マンション契約者動向調査」

中古も候補に入れる理由は人によって様々ですが、特に多いのが、価格が割安であること。中古に対する抵抗がなくなってきている傾向があり、住みたいエリアに安く住めるなら新築にこだわらない人も増えているようです。

子育て世帯に中古リノベは厳しい?

新築・中古マンションを並行検討する人が多いのは前述のとおり。ただ、スーモカウンターでご相談いただく中でも特に子育て世帯では、相談の過程で築古リノベーションの検討を考え直すケースが多いのも実情です。

中古マンションとひと口に言っても、購入してそのまま(または軽微なリフォームで)住める築浅の物件と、購入後にリノベーションをして住む築古の物件では、購入後の流れが大きく違います。入居後の生活にも大きな違いがあります。

築年数が上がるほど、入居者の年齢層が高く、防音性などの住宅性能が低い物件が多くなります。つまり、子育て世帯にとってはコミュニティを作りづらい、音のトラブルにつながりやすいなどのリスクもあります。入居者や建物の構造はリノベーションではどうしようもない部分なので、この点もよく検討する必要があります。

資産性も重要なポイントです。将来は資産として子どもに残したいと思うのであれば、そのときの築年数、建て替え・取り壊しの可能性についても考えましょう。

中古マンションは価格の魅力も大きいですが、そこで思いどおりの子育てができそうかどうかなど、総合的に比較検討するのがよいでしょう。

かかる費用は、物件の価格以外にもさまざま

新築と中古で立地など条件が同様の場合、もちろん中古のほうが安くなります。しかし。マンション購入にかかる費用は、物件価格だけではないことも念頭に置いておきましょう。

中古でもリノベーションが必要な物件となると、当然リノベーションの費用がかかります。工事が終わるまで入居できないので、賃貸住宅からの引っ越しの場合、住宅ローンの返済が始まってからも家賃を払い続けることになり、ダブル出費になる可能性もあります。

また、古すぎるとそもそも住宅ローンが組めないこともあるので注意が必要です。

新築物件は販売期間が長く、ゆっくり選べるのに対し、中古物件は流動的なため、短期間での決断が求められることもリスクです。

特にコロナ禍の今、中古物件の流通そのものが減っています。先行き不透明感の高まりから、物件を売ろうとする人が減る一方、買いたいと思う人は増えています。良い物件はなかなか見つからない状況であることも知っておきましょう。

暮らしやすさ、売りやすさなどトータルで考えて

中古マンションは価格が安い、リノベーションで自由に変えられる、などのメリットで注目を集めていますが、それ以外にも知っておくべきポイントがたくさんあることをお伝えしました。

新築・中古のどちらを購入するにしても、購入時にかかる費用、入居するまでにかかる費用はもちろん、入居後の暮らしやすさ、さらには手放すことになった場合の出口戦略まで総合的に考える必要があります。

どちらが自分たちにとって本当にお得なのかわからない、というときは、ぜひ専門家の意見を聞いてみてください。


スーモカウンターなら、同様のご要望やご相談に対して、多くの人がどんな選択をしたのか、というアドバイスもできるので、お気軽にご相談ください。

スーモカウンターは全国170店舗以上(2021年1月末時点)。アクセスのよい立地にあるので、よく利用する駅や自宅の最寄りの店舗をご利用ください。

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