柔道のグランドスラム(GS)タシケント大会(ウズベキスタン)の男子81キロ級で3位に終わった2016年リオ五輪銅メダルの永瀬貴規(27=旭化成)が7日、リモート取材に応じ、神妙な面持ちで〝V逸〟の心境を語った。
今大会は約1年ぶりの実戦。「準備してきたことを試合で出せる機会。何としても優勝したかった」というが、3位という結果に唇をかんだ。
「柔道ってホントに一発で終わる。一本取られたら終わってしまう競技。改めて柔道の怖さを感じることができました」
特に永瀬が実感したのが「一瞬のスキもつくってはいけない」という教訓だ。準決勝では格下のイタリア選手に一本負け。その大内刈りについて「普通の投げ方とちょっと違う動き。回転しながらの大内刈りだった。気付いたら入られて、対応できなかった」と振り返った。
この敗戦で「改めて81キロ級で勝つ難しさを感じた」というだが、。悔しさを味わうと同時に収穫も得た。
「81キロ級にはいろんなタイプの選手がいる。パワーファイターだったり、テクニックやスピードのある選手もいる。そういったすべての選手に対応し、勝ち切ることがとても重要。地力に加えて対応力を身に付ける必要があると思っています」
見据えるのは当然、今夏の東京五輪だ。「これがゴールではない。五輪に向けて、さらにレベルアップしていきたい」。失意の中で、大きな覚悟と決意を口にした。