「50枚入り190円」…マスク価格破壊の理由は 「在庫のダブつき」「中国の生産拠点増」流通アナリストが指摘

©まいどなニュース

不織布マスク50枚入り箱が190円で販売されていた。マスクの価格破壊が加速している(写真の一部を加工しています)

マスクの価格破壊が止まらない。コロナ禍でマスクの品薄が社会問題となった昨年の春先から一転、むしろ「コロナ以前」よりも安くなっている。こうした現状を踏まえ、流通アナリストの渡辺広明氏は当サイトの取材に対して、その背景や今後の相場となる価格を推測した。

記者は都内で「50枚入り一箱が190円(税別)」という商品を見つけ、店頭で目を疑った。50枚で190円というと…1枚3円80銭か。コロナ禍での品不足を極めた昨年4月初めの相場は1枚約100円だったと記憶しているが、こちらは4円弱。単純計算して25分の1以下ではないか。トータルの料金でも、コロナ前の昨年1月初めに購入した50枚入りが398円(税別)だったから、半額以下になっている。

この超安値マスクを置く店では他に290円、390円、490円と100円単位で値段の上がる同枚数入り箱を数種類販売していたが、迷わずに最安値の190円を購入。中国製で、「非醫療用(※原文ママ・医の旧字体)」と記されていた。その後、実際に使用している。あくまで個人的な見解となるが、特に欠陥や違和感を感じることはなかった。

とにかくマスクが手に入らなかった昨春。4月も下旬になって、飲食店の店頭で弁当と共に50枚入りが税込み3500円で売られていたのに飛びついた。1枚70円でも当時は安いと思った。それが、5月に入ると2500円前後になっていて、「早まった」と悔いたものだが、その後も価格は下がり続け、昨秋あたりからは1000円前後に。相当安くなったなと思っていたら、気がつくと数百円になっている。これは、いったい、どういうわけなのだろうか。

渡辺氏は「今、安くなっている商品は、昨年の品薄騒動で新規参入の業者が中国からの輸入を始めたが、品質面で大手小売業に導入できず、在庫がタブつき、行き場を失った商品が安くなっているのと、同じ時期に中国でマスク工場がたくさんできて、生産拠点が増えたのが原因だと思います」と指摘した。

では、今後の相場はどうなっていくのだろうか。渡辺氏は「コロナ前は大手ドラッグストアのプライベートブランドで50枚入りが500円から600円ぐらいだったので、今後は400円から500円前後の価格帯に落ち着いてくるのではと推察しています」と分析。マスク必携の生活がこの先も続く中、消耗品として妥当な価格になっていきそうだ。

いま思えは、あの「アベノマスク」とは何だったのだろう。登場人物がマスク着用で演技をしている、宮藤官九郎脚本のTBS系ドラマ「俺の家の話」。本人役で出演している長州力が、実際に私生活でも愛用したとツイートしたアベノマスクをさりげなく装着している小ネタを見ながら、改めて月日の移ろいを感じた。

昨年の深刻なマスク不足から政府の事業として生産された通称・アベノマスク

(まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)