ジュリアーノ・アレジが初めてのスーパーGTテストを終える。初のGTカー体験も「楽しい!」

 3月6〜7日の2日間、岡山国際サーキットで行われたスーパーGT公式テスト。2021年の幕開けとも言えるテストだが、注目の初参戦ドライバーが数多く参加した。なかでもエントリーリストから注目を集めたのは、2020年までFIA-F2を戦っていたジュリアーノ・アレジだろう。2日間のテストでarto RC F GT3をショーン・ウォーキンショーとともにドライブした。

 アレジは2016年からGP3を戦い、2019〜20年はF1を目指しFIA-F2を戦ってきた。2021年、新たなキャリアのステップとして日本を戦いの場に選び、この日岡山国際サーキットで行われた公式テストで、初めてスーパーGTのテストに参加した。2日間のテストを終えた後、アレジのもとに取材に行くと、チームから「日本語と英語どちらで答える?」と聞かれたアレジは、「日本語! 試してみたい」と流暢な言葉で答えた。

「すべてがすごく良い経験になりました。チームとも初めて合流しましたし、一緒に仕事をしました。GTカーも初めてでしたけど、すごく好きになりました。楽しいですよ!」とアレジ。

 もちろん、これまでフォーミュラでキャリアを進めてきたアレジにとって、GTカーはもちろん、2クラス混走のスーパーGTも新たな経験だ。当初は戸惑いもみせていたというが、少しずつタイムを上げ、ユーズドタイヤで走ったルーキーテストは一時危ういシーンもあったが、ニュータイヤで無事にパスしたよう。

「もちろん大変でしたし、新しい経験でしたけど、もともとこういうレースだということは分かっていましたからね。それは大丈夫でした」と少しずつ対応していった様子だ。

 そして、自身のルーツのひとつである日本での暮らしも満喫しているようだ。「日本大好き。美味しい食べ物いっぱいあるから(笑)」と笑顔をみせる。チームによれば、漬物や納豆なども食べられるという。「もともとなんでも食べられるんです。なんでも好き。あと鰻も好き! でもちょっと高い(笑)」とアレジ。

 2021年は、このままスーパーGTにフル参戦することになりそう。そしてすでに発表済みの全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権を含め、日本でキャリアを本格的にスタートさせることになる。

「僕の日本語については、最初のうちはゴメンなさい。でも御殿場に住んでいるから、もっと勉強したいと思っています。皆さんからサポートをうけているので、それについては本当に感謝しています。ありがとうございます」とアレジ。

「応援してくれる皆さんのために、グッドリザルトを残したいですね!」

 時折英語混じりになっていたり、文節の順番が異なることはあったものの、アレジのコメントはほぼ“文字起こし”であることを断っておく。日本語でやり取りしているチームからも「すごく良い性格だし、どんどん速くなっている。それにマジメ」と高評価をうけていた。横で聞いていたアレジは照れながらも「でもめんどくさがりだから」と笑う。

 はやくもパドックで他のGTドライバーと話しているシーンもみられ、積極的な姿勢をみせている。これまでも鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デーなどでたびたびサーキットを走るシーンはみせてくれているが、今季日本のモータースポーツシーンで、楽しみな存在なのは間違いないだろう。

2021スーパーGT岡山公式テスト ジュリアーノ・アレジがドライブするarto RC F GT3

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