2020年FIA-F4王者の平良響が初めてのGT300ドライブ。「最後は気持ち良く走ることができました」

 3月6〜7日の2日間、岡山国際サーキットで行われたスーパーGT公式テスト。2021年の幕開けとも言えるテストで注目の初参戦ドライバーが数多く参加したが、スーパーGTと併催されるFIA-F4の2020年チャンピオンである平良響が、阪口晴南に代わってK-tunes RC F GT3をドライブした。

 沖縄出身の平良は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きくカレンダーがずれ込んだ2020年のFIA-F4で圧倒的なパフォーマンスをみせチャンピオンを獲得。2021年に向けては全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦するほか、チーム在籍2年目となるKTMSからスーパー耐久にも参戦する。

 そんな平良だが、本来K-tunes RC F GT3をドライブする予定だった阪口晴南が、今回の岡山公式テストに向けて急遽サッシャ・フェネストラズに代わりKeePer TOM’S GR Supraをドライブすることになったため、阪口に代わり大ベテランの新田守男とともにK-tunes RC F GT3をドライブすることになった。決まったのはここ1週間ほどということで、平良も驚いたという。

 また平良はこれまでレーシングカート、フォーミュラとステップアップしてきており、ハコのレーシングカーは2020年にドライブしたKTMS 86以外にない。スピード域もパワーも異なる。しかし、チームの支えもあり無事にテストを終えることができた。

「はじめはGT3カーということで不安もいっぱいあったのですが、新田選手や影山正彦監督に走る前にいろいろなアドバイスをもらいました。緊張しながらも走りましたが、走行後もいろいろなことを教えてもらい、最後は気持ち良く走ることができました」と平良は初めてのスーパーGTテストを振り返った。

 また、多くのドライバーが当初戸惑うのは、スーパーGTならではの2クラス混走だ。GT300の場合は、GT500を抜かせながらレースを戦わなければならない。今回の岡山は特にタイトなコースのひとつでもある。

 平良もその混走については、「最初は(GT500とGT300で)コーナリングスピードがあまりにも違うので、怖い感じもあった」という。しかし、2020年に経験したKTMS 86での戦いが実を結んだ。ST-4で戦った平良は、ST-X等速いマシンへの対応をすでに経験ずみだ。

「スーパー耐久を経験できたおかげで抜かれ方や抜き方は安全にできたと思います。その経験があって本当に良かったです」

 とはいえ、スーパーGTデビューがまだ決まったわけではない。まずはスーパーフォーミュラ・ライツに集中することが大事だ。それでも「参戦するときには“代役”になるとは思いますが、大きなミスをすることなく……というのがマストになるとは思います。でも、それで縮こまることなく、気持ちを全開にしていきたいと思っています」と平良は意気込みを語った。

2021スーパーGT岡山公式テスト K-tunes RC F GT3

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