電化前の相模線、養蚕の様子… 8ミリ映像でよみがえる海老名の記憶

上映される「相模線」の映像の一部

 電化される前の相模線や、今は見られなくなった養蚕の様子など昔の海老名や周辺の風景を8ミリフィルムで撮影した記録映画の上映会が27日、海老名市文化会館(同市めぐみ町)で開かれる。市民グループ「郷土史料保存会」(赤井光夫代表)の主催で、入場自由。

 赤井代表によると、同会は1970年に発足。当初会員は6人ほどだったが、やがて20人を超えるようになった。当時は家庭用ビデオなどはない時代。会員は8ミリフィルムの映写機で家族の成長などを記録していたが、やがて地元行事や、変わってゆく町の姿も記録するようになったという。

 今回上映するのは6本。赤井代表と会員の代田則高さんが制作した「相模線」(72年、30分)は、当時の国鉄東京南鉄道管理局の撮影許可を得て、相模線の車内に三脚を立てて撮影した力作。茅ケ崎から橋本間の寒川神社や養蚕農家など沿線の風景、単線で上下の列車が安全に行き来するためのタブレット交換、客席の一部にメロンなどの農産物を載せて運んでいた様子も写っている。

 6本のうち5本は8ミリフィルムをDVDにしたものを上映するが、「相模線」だけは8ミリフィルムそのものを映写機で映す。

 赤井さんの自宅で当時まだ行っていた養蚕の一部の様子を撮影した「我が家の養蚕」(69年、8分)などもある。

 赤井代表は「今年は海老名市制50周年。会も51年になるので上映会を企画した。映像に残る記憶と記録を見てもらい、変わりゆく郷土の様子を覚えておいてほしい」と話す。問い合わせは同代表電話046(231)1831。

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