米男子ツアー「アーノルド・パーマー招待」で逆転優勝したブライソン・デシャンボー(27)。その原動力は病床のタイガー・ウッズ(45=ともに米国)からのメッセージに勇気を与えられたことだったと明かした。
午後2時前のスタートを控えた最終日。デシャンボーの携帯にテキストメッセージが届いた。
差出人は「タイガー・ウッズ」。この大会最多の8勝を挙げているウッズからのメッセージには「常にファイトしろ」「パーマーさんのように大胆に」と記されていた。
ウッズは先月23日に交通事故を起こし、現在も病院でリハビリ中。それだけにデシャンボーは「過酷な状況なのに、自分のことを気にかけていてくれたことに驚いた」。
リー・ウエストウッド(47=英国)を1打追いかけて2位からスタートした最終日は、1番パー4で左右のラフを渡り歩いてボギーと嫌な立ち上がりとなった。そんな中、ウエストウッドが3番で落とし、デシャンボーは4番でバーディーを奪った首位タイで迎えた6番パー5。ここで、ウッズのメッセージを実践する場面が来た。
左サイドの池をほぼ半円状に沿ってカーブを描くレイアウトのホールでデシャンボーは前日、370ヤードのビッグドライブでグリーン近くまで運んでギャラリーを沸かせた。この日も同じ狙いで攻めることに期待がかかる。
だが少しでも当たりが悪かったり、方向がズレれば池につかまる。その場合、レッドペナルティーエリアを横切った地点はティーイングエリアの円の前となるので、打ち直しの3打目は同じ場所からを選ばざるを得ないので、V争いから後退するリスクは高い。
それでもデシャンボーに迷いはなし。池越えのグリーン方向を狙ってドライバーを振り抜いたショットは、377ヤードを記録してバーディーを奪った。
先週の「ワークデイ選手権」最終日、ウッズと同じくブリヂストンスポーツとボール契約するデシャンボーは「TIGER」のネームがプリントされたボールでプレーした。
他にも多くの選手が赤&黒のウエアでプレーしていたことに感激していたウッズ。デシャンボーへのエールはその恩返しの表れだったのだろう。