ワーケーション体験から伝える、宮城県女川町がワーケーションに向いている理由

テレワークという働き方を活用し、観光地などでバケーションを楽しみながら働く「ワーケーション」。働き方改革などによるテレワーク推進によって注目されている働き方の一つです。恐らく、いつかはワーケーションを実践してみたいと考えている方は多いでしょう。
これまで国内外を問わずさまざまな場所を訪れてきました。主には取材などの仕事を目的としていますが、旅行を兼ねたワーケーションも経験があります。そんな中で今回は、ワーケーションスポットとして宮城県の「女川町」をご紹介します。

女川(おながわ)ってどんな場所?

女川町は宮城県牡鹿郡にあり、リアス式海岸に面した美しい町。海岸には良港があり、カキやホタテ、サンマ、ギンジャケなど種類豊富な魚介類が水揚げされます。宮城県の中心地とも言える仙台市からはJR線で約1時間半、車なら高速道路を使って1時間ちょっとの場所です。

そんな女川町は、10年前の東日本大震災で大きな被害を受けました。町は津波に襲われ、その高さは18mに及んだとのこと。多くの命が失われ、盛んだった水産業も大きな打撃を受けたと言います。しかし現在は復興が進められ、“復興のトップランナー”として新たな女川町が誕生しました。今もなお復興途中ではありますが、この地で新たに事業を始める起業家も集まるなど、変化し続けている町です。

女川町との出会い、そして“お試し移住”での経験

2019年までに女川町には数回足を運びました。そのきっかけとなったのが、2016年に経験した“お試し移住”。女川町で活動する「NPO法人アスヘノキボウ」が取り組んでいるプロジェクトで、私は1週間にわたり滞在しました。今振り返ってみると、あれこそまさにワーケーションだったと言えます。

「お試し移住」期間中はシェアハウスに滞在していました。まだ復興作業は始まったばかりで、仮設住宅もたくさん点在。また、各種店舗や庁舎なども仮設商店街で営業していた頃です。通行止めの道も多く、シェアハウスから女川駅付近までは、毎日3kmほど走っていました。
それから毎年のように女川町を訪れるようになりましたが、そのたび町の変化には驚かされます。駅前には数多くのお店が軒を連ねる「シーパルピア女川」があり、2020年には町民待望のスーパーが開店。2016年当時、海岸から少し離れた場所は更地になっていましたが、現在はたくさんの住居が建っています。

“お試し移住”をキッカケに、NPO法人アスヘノキボウの主催するランニングイベント「仙女ウルトラマラニック」の運営に携わってきました。リピーターが多くたくさんの方々が走りに来てくれますが、その中でよく聞くのが、「また町が変わったね」という声。定期的に訪れることで女川町の生まれ変わりを感じられ、私にとっては第二の故郷のように「今年も訪れたい」と思える場所になりました。故郷である宮城県との関わりが増えたことは、喜びの一つでもあります。

なお、現在は新型コロナウイルスの影響で、お試し移住の受け入れを中止しています。状況が落ち着いた際に再開を見込んでいるそうですので、ご興味のある方はぜひ情報をチェックしてみてください。もちろん、お試し移住と関係なくワーケーションに訪れるのもおすすめです。

女川きっかけ「お試し移住プログラム」

女川町がワーケーションに最適な7つのポイント

お試し移住での滞在中はシェアハウスに滞在しながら、もちろん仕事もしていました。気が向いたら山を登ったり、復興状況をその目で見るため走って回ったり。もちろん女川町の誇る美味しい海の幸なども堪能し、実に充実したワーケーションでした。今でも、訪れた際には数日滞在してワーケーションを楽しんでいます。その経験から、女川町がワーケーションに最適だと感じるポイントを7つに絞ってご紹介しましょう。

1)駅の近くでで何でも完結する生活環境

女川町は東日本大震災の後、大きく町の雰囲気が変わりました。数多くの店舗や役場、医療機関などが女川駅付近に集まっているため、徒歩圏内で生活に必要なほぼ全ての環境が整っています。
なお、お試し移住ではシェアハウスを利用させて頂きましたが、駅横にはトレーラーハウス宿泊村「ホテル・エルファロ」も。とてもお洒落な宿泊施設で、ワーケーションをさらに楽しくさせてくれます。

2)集中して仕事ができる「女川フューチャーセンターCamass」

ワーケーションといえば、やはり“働く場所”は大切です。もちろん宿泊施設でも仕事は可能ですが、女川町には電源やインターネット回線の完備された「女川フューチャーセンターCamass」があります。こちらはコワーキングスペースとしての役割だけでなく、地元の方々が集まるコミュニティスペースとしての位置づけもある場所。会議等に使用されるほか、ワークショップなどのイベントも行われています。

3)気分転換に最高の自然に囲まれた環境

女川町には海だけでなく、周囲に初心者でも登りやすい山が点在しています。山登りを楽しむのはもちろん、仕事の間に気分転換として訪れるのにもおすすめ。特に紅葉の時期は、素晴らしい景色を楽しませてくれます。

4)1日の疲れを癒してくれる“駅にある温泉”

1日の疲れは温泉で癒す!これが女川町では可能です。なんと女川駅には「女川温泉ゆぽっぽ」が併設されており、9~21時まで気軽に温泉を楽しむことが可能。“美人の湯”と呼ばれる泉質は、お肌をすべすべにしてくれます。なお、お休み処にはテーブルがあるので、ゆっくり寛ぎながら軽く仕事することもできそうです。ちなみに、屋外には誰でも利用できる足湯も設けられています。

5)美味い!があふれる女川グルメ

バケーションなら、やっぱり“食”も楽しみたいところ。女川グルメなら、きっと食欲も満たしてくれるでしょう。特に「お魚いちば おかせい」の特選女川丼は、その日のよって美味しい魚介類をご飯が見えなくなるほど盛り付けた大満足の一品。女川に行くと、必ずといって良いほど食べています。また、美味しいお酒を楽しめるお店も豊富なので、「今日はどこに行こうか」と迷ってしまうかもしれません。

6)子連れワーケーションを充実させるアスレチック

女川町では家族連れでもワーケーションを楽しめます。女川駅から少し歩いた場所にあるのが、フィールドアスレチックです。全身を動かして遊べる豊富なアスレチックのほか、大人でも滑りたくなるような全長約100mのローラー滑り台も。小さなお子さんでも、色んな遊具のある「ちびっこ広場」があるので存分に楽しい時間を過ごせます。

7)仙台駅からアクセス至便

女川町は仙台駅から電車で1時間半ほど。ちょっと距離はありますが、仕事したり景色を見たりしていればあっという間です。石巻駅で乗り換えがてら観光するのも良いですし、タイミングによっては直通列車に乗れるかもしれません。
車で訪れ、ワーケーション中にドライブを楽しむのも良いでしょう。女川湾を一望できる絶景スポットの「大六天」や笹かまぼこの工場見学と手焼きを楽しめる「蒲鉾本舗 髙政 女川本店 万石の里」を訪れたり、景色を楽しみながら女川町と石巻市鮎川浜とを結ぶ観光道路「牡鹿コバルトライン」をドライブしたりするのもおすすめです。

東日本大震災から10年、復興の“今”を知るワーケーション

女川町を訪れて感じた、ワーケーションスポットとしての魅力についてご紹介しました。
東日本大震災から10年が経ち、女川町は今まさに新しく生まれ変わる最中にあります。ワーケーションを通じて、きっと復興の今を肌で感じることができるでしょう。出会った地元の方々に、当時のお話を聞いてみるのも良い経験になるはずです。
一度ワーケーションに訪れれば、「また来よう」と思わせてくれる場所。そんな女川町に、ぜひ足を運んでみてください。


三河賢文
1983年生まれ、千葉県印西市在住。出身は宮城県仙台市。ナレッジ・リンクス(株)代表、“走る”フリーライター、ランニングコーチ、NPO法人HASHIRU 理事など、さまざまな顔を持って活動。仕事からプライベートまで全国各地を“走って”巡り、旅ラン&島ランが趣味。4児の子を持つ大家族フリーランス。
https://www.run-writer.com

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