ピアニストのヴィジェイ・アイヤー、6年ぶりトリオ・アルバムをECMからリリース

©Craig Marsden / ECM Records

鮮烈なアイデアとセンスでジャズ界を牽引するピアニスト、ヴィジェイ・アイヤーが、タイショーン・ソレイとリンダ・メイ・ハン・オーとのトリオ・アルバム『Uneasy』を4月9日にリリースすることが決定した。

『Uneasy』は、ECMからのリリースとしては2作目のトリオ作品で、リーダー・アルバムとしては通算7作目だ。20年の歳月をかけて作曲された8曲のヴィジェイのオリジナル曲に、コール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」とジェリ・アレンの「ドラマーズ・ソング」を収録。2019年12月に米ニューヨークのマウント・バーノンにあるOktaven Audio Studioで録音し、ヴィジェイ・アイヤーとマンフレート・アイヒャーが共同プロデュースしている。

本作では、音楽の歴史を引きずりながら、彼は音楽を前進させ続けている。この試みの過程で今日のアメリカの風景を支配している政治的、社会的な動揺が、音楽的な熟考と緊張感のある空間に反映されている。

ライナーノーツの中で、ヴィジェイは「今日、『不安』という言葉は、激動の時代にしてはあまりにも穏やかで、残忍な控えめな表現のように感じられる。しかし、この言葉にはそれとは正反対のものが含まれているので、最も落ち着きのある癒しの音楽は、しばしば深い不安から生まれ、その中に位置していることを思い出させてくれるのかもしれない」と述べている。

また、「ナイト・アンド・デイ」について、ヴィジェイはその伝統に敬意を表しており、1964年録音のジョー・ヘンダーソンのアルバム『インナー・アージ』に収録されている解釈にインスパイアを受けたとのことだ。マッコイ・タイナーの演奏をベースに、今回のトリオのためにこの曲をアレンジしたという。

先行配信中の「Children of Flint」は、ヴィジェイが2019年に書き下ろした曲で、ミシガン州デトロイト近郊の町フリント出身の子供たちに捧げられている。(「Children of Flint」視聴などはこちら

同曲について、ヴィジェイは次のようにコメントしている。

「重大な過失と組織的な人種差別により、町全体の飲料水が鉛で汚染された。ほとんどがアフリカ系アメリカ人であるその町の何千人もの子供たちは、鉛の危険なレベルにさらされており、広範な健康問題、慢性疾患や学習障害につながっています。この作品は、これらの子供たちに捧げられています」

■作品情報

ヴィジェイ・アイヤー

『Uneasy』

デジタル&輸入盤:2021年4月9日(金)リリース

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