「夏暑く冬寒い」返上へ “総額180億円”西武メットライフDの改修ポイントは?

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メットライフドーム改修工事の竣工式が行われた【写真:宮脇広久】

高さ20メートルの巨大な天吊り防球ネット登場

西武は総額約180億円をかけ、約3年間に渡った本拠地・メットライフドームの改修工事を完了させ、8日に竣工式を行った。建て替えられたライオンズトレーニングセンター(室内練習場)や若獅子寮、CAR3219フィールド(旧・西武第二球場)など、既に一昨年や昨年から稼働している施設もあるが、ここでは昨季終了後から新設された箇所のいくつかにスポットを当てたい。【宮脇広久】

球場内に足を踏み入れてまず気付かされるのは、内野フェンスに張られた高さ20メートルに及ぶ巨大な天吊り防球ネットだ。バックネットから両翼のポールの近くまで、内野スタンドをすっぽり覆っており、観客席に飛び込むファウルボールは今季以降、激減するに違いない。

従来の防球ネットは支柱を立て、比較的低い位置に張られていた。各球場の防球ネットや金網は一時、メジャーリーグに倣って臨場感重視で、取り除かれたり極力低くされたりする傾向が強まった。フィールドのファウルゾーンにせり出し、観客がヘルメットを装着して観戦するような迫力満点の座席も続々と設置された。だが、ファウルボールが観戦中のファンを直撃して大怪我を負わせる事故が日米で発生したこともあって、ここに来てトレンドは再び安全性重視に傾きつつあるのかもしれない。

一方で、センターの大型ビジョンは、昨季までの319.84平方メートル(高さ6.528メートル、幅48.995メートル)から601.62平方メートル(高さ13.056メートル、幅46.080メートル)へ、倍近い面積となり迫力が増した。

また、後藤高志オーナーはこの日、「メットライフドームはこれまで『夏暑く、冬寒い』と言われてきたが、ダグアウトに空調が完備され、夏には冷気、冬には暖気が出るようになった。選手諸君にとっては、戦う環境が整備されたと思う」と胸を張った。

確かに、メットライフドームには壁がなく、屋根を柱で支える構造で外気が吹き抜ける。フィールドは外に雪が降るような春先には底冷えし、真夏には蒸し暑さに見舞われ、選手を悩ませることがあった。ベンチに設置されたエアコンから吹き出す温風や冷風が、選手のパフォーマンスを向上させる可能性がある。

そんな選手たちを間近で応援できるように、バックネット越しにフィールドレベルで観戦できる“砂かぶり”の「アメリカン・エキスプレス プレミアムエキサイトTM シート」を新設。コロナ禍を受けて当面は稼働を見合わせるが、裏に「ブッフェエリア」と「バーエリア」に分かれたラウンジを備えた豪華版だ。

外野後方には、子ども向けの大型遊具も設置された「テイキョウキッズフィールド」がお目見え。迷路やクライミング、高さ5.5メートルからのローラースライダー(滑り台)を楽しめ、後藤オーナーは「お子様にプロ野球観戦以外でも十分楽しんでいただける球場になった」とうなずいた。

その他にも、新しい施設が盛りだくさん。リニューアルされたメットライフドームには、ライオンズファンならずとも、一見の価値がありそうだ。

【写真】メットライフD、どこが変わった?

【写真】メットライフD、どこが変わった? signature

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)