ソフトバンク・松田「熱男ギア」上げる2安打 工藤監督と小久保ヘッドもニッコリ

4回、気迫の好走塁で三塁を陥れたソフトバンク・松田(左)

熱男のエンジンがかかってきた。ソフトバンク・松田宣浩内野手(37)が9日、巨人とのオープン戦(ペイペイ)でマルチ安打をマーク。走塁でも得点を演出する好走を見せるなど、開幕に向けて調子が上向いてきた。

一塁ベース上で拳をつくる松田を見て、ベンチで向かい合って笑みを浮かべる工藤監督と小久保ヘッドコーチの姿が印象的だった。2、4回ともに先頭で回ってきた打席で、お手本のような中前打。第1打席はカットボール、第2打席はカーブに対応した。4回は、直後の今宮の中前への安打で一塁から一気に三塁へ。ホークスの強さを印象づける積極的な走塁。相手中堅手・丸の送球がそれた分、セーフとなり好機が拡大した。続く甲斐の二塁併殺打で生還。37歳のベテランが見せた好走に、鷹の意識の高さがうかがえた。

ロッテとの3・26開幕戦のホットコーナーに就くことは確実。そこに立つ資格を証明する責任がある。春季キャンプ中の対外試合から思うように当たりが出なかった。「バッティングの感覚がいい。行きつくのがこの時期でよかった」。宮崎から帰福後すぐ、シンプルにバットが出るように担ぐ位置を以前の形に変えるモデルチェンジに着手。それが奏功した。

プロ16年目、通算1728安打。引き出しも多いが、探求心も人一倍だ。試合後、スコアラー室にこもっての〝反省〟は日常。試合前練習では人知れず試行錯誤と不振脱出の試みを欠かさない。ベテランながら早出練習にも参加する。「ベテラン」という括りで見ているのは周囲だけで、本人の中では身も心も入団当初と変わらない。

鷹に欠かせない熱男。ホットコーナーを託される責任を今年も果たす。

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