巨人・野上「一歩進めたかな」 約2年ぶり一軍登板で2回零封4奪三振

開幕一軍へ好アピールとなった巨人・野上

開幕に向けて、一縷(いちる)の望みをつないだ。巨人の野上亮磨投手(33)が9日、ソフトバンクとのオープン戦(ペイペイ)に7回から登板し、2回を投げて無失点、4奪三振と好投。2019年8月6日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、約2年ぶりの一軍の舞台で結果を残した。

最速145キロの直球とフォークなどを武器に安定した投球を見せた野上。7、8回は安打こそ許したものの、要所を締めるピッチングで走者を得点圏まで進ませない意地の投球を見せた。

19年10月に左アキレス腱を断裂した右腕は、リハビリの末、昨季にファームで実戦復帰を果たすも一軍登板は叶わず。久々となったこの日の一軍のマウンドで、全快をアピールした。野上は登板後「(原監督からチャンスをもらって)その結果にも応えたかったし。まず無失点というのができたので、一歩進めたかなと思います」と安どの表情。

キャンプ中から「野上へチャンスを与える」と公言していた指揮官も「コントロールは良かったでしょうね。(チャンスは)まだ何度かあるんじゃないですかね」とまずまずの評価。宮本コーチも「非常に安定していますよね。コントロールがいいので安心して任せられる。2021年、彼には期待してますね」と手放しに褒め称えた。

日程の都合上、一旦ファームに再合流するとのことだが、開幕一軍の可能性は絶たれていない。宮本コーチは野上の起用法について「リリーフ」であることを明かしたうえで「(開幕一軍の可能性は)半分くらいあるんじゃないですか。リリーフで調子が悪いのがいたらすぐ(入れ替えるし)、もう今(ファームの)リリーフ陣の中では野上が筆頭じゃないですか。滑走路で待機してる感じじゃないですか」と独特の言い回しで表現した。〝崖っぷち〟で見事を爪痕を残した右腕が、開幕メンバー入りへアタックを続ける。

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