楽天豪華ローテの裏で…W大砲助っ人来日できず 「ジリ貧」打線で広がる不安

田中将(右)、涌井と先発陣は文句なしの楽天だが…

8年ぶりに古巣復帰した田中将大投手(32)や即戦力の呼び声高いドラフト1位新人・早川隆久投手(22=早大)の加入で今季のパ・リーグ優勝候補に上げられている楽天。9日のロッテ戦でオープン戦初勝利を飾るなど開幕に向けて不安はなさそうだが、そうでもない。豪華投手陣の存在に隠れがちだが、打線の状態が思うように上がっていないからだ。

楽天はこの日を含めてオープン戦3試合を消化したが、投手陣の順調な仕上がりとは対照的に打線は精彩を欠いている。中日との2試合はいずれも1試合6安打で得点は計3点だけ。9日のロッテ戦も先発・岸や救援陣の好投で3―2と勝利したものの、打線は島内の右中間三塁打を含めた4安打で2得点と湿ったままだ。

オフに獲得した期待の新助っ人長距離砲ブランドン・ディクソン内野手(29=前タイガース)とルスネイ・カスティーヨ外野手(33=前レッドソックス)は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり来日は未定。チームの得点源が昨季本塁打王の浅村だけという手薄な現状では、球界屈伸の投手陣を援護できない可能性も否めない。

石井監督もこの点には憂慮しているようで、9日の試合後は打線に関して問われると「全体的にちょっと疲れ気味かなとは感じています」と胸中を吐露。その上で「外国人選手がなかなか来られない中、しっかりと打線を組んで得点を取る努力をしないといけない。ウチはホームランバッターが少ないので、走塁だったり、いろんなことの精度を上げて得点を取る努力をしていかないといけない」と思うように機能しない攻撃陣に奮起を促した。

まだ開幕まで2週間以上あるとはいえ、打線は〝みずもの〟。急激に状態が上がるとは考えにくい。他球団がうらやむ豪華投手陣で8年ぶりの日本一を狙う楽天だが、その武器を生かすも殺すも打線次第。足をすくわれないよう、早急な対処が必要なのかもしれない。

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