「ここにあるとは」 老舗べっ甲店の看板 市べっ甲工芸館に展示

展示されている江崎べっ甲店の看板=長崎市べっ甲工芸館

 昨年6月に創業311年の歴史を閉じた長崎市魚の町の江崎べっ甲店の看板が、松が枝町の市べっ甲工芸館に展示されている=写真=。店を懐かしむ人からは「ここにあるとは」と驚きの声。
 縦約1.6メートル、横約3.2メートル。日本語、英語、ロシア語の木製文字が特徴。「長崎のべっ甲文化の歴史を物語る貴重な資料」と、店の解体に伴い市が譲り受けた。繊細な工芸品が並ぶ中、圧倒的な存在感を放っている。
 壁面に展示予定だったが、同館がある旧長崎税関下り松派出所は国指定重要文化財のため文化庁の許可が下りなかった。市景観整備機構の建築士の協力で専用の架台が設置され、無事“第2の人生”を歩んでいる。


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