中国に国防費透明性向上など働きかける 防衛相

 岸信夫防衛大臣は9日の記者会見で中国の国防費が対前年比6.8%増の22兆円規模になった受け止めと中国の王毅外相が「中国海警法は国際法に合致している」と発言していることに対する受け止めを聞かれ「中国海警法については曖昧な適用海域、武器使用権限等、国際法との整合性の観点から問題がある規定が含まれており、我が国の懸念を引き続き強く伝えていく」と答えた。

 中国国防費に関しても「1991年からの30年間で42倍に増加している。予算の内訳など詳細が公表されない上、公表の国防費に関しても軍事関連予算の一部にすぎないという指摘もある」とした。

そのうえで「国防費の高い伸びを背景に、中国は透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に強化している。防衛省としては引き続き国防費を含めた中国の国防政策を注視していきたい。また、中国に対する各国の懸念を払しょくするためにも、中国が国防政策や軍事力の透明性を向上させていくことがますます重要だ。具体的かつ正確な情報開示を通じて、軍事に関する透明性を高めていくことが必要」と述べ「様々な機会を通じて中国側に強く働きかけをしていきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)

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