新型コロナウイルス流行前後での政治関心、支持政党の有無で二分される

選挙ドットコムは日本全国の18歳以上のYahoo!JAPANユーザー2000人を対象に、政治・選挙の情報接触に関するアンケートを行いました。本記事では調査の結果とそこからわかった有権者の政治意識についてご紹介します(調査期日:2月24日)。

支持政党「ない」が65.5%、年代が上がるにつれて支持政党「あり」の割合は増える

「あなたは、普段支持する政党はありますか?」と聞いた結果が上の図です。「ない」という回答が全体の6割を超え、ネットユーザーではいわゆる無党派層が多いということが考えられます。
また、選挙ドットコムが毎月行っている政党支持率の調査でも、ネット調査における政党支持率は2020年4月以降「支持なし」が全体の6割超で推移していることと共通しています。

選挙ドットコムリサーチ2月実施調査より

回答者の年代別にみると、18・19歳で「支持する政党がない」の割合が最も高く、年代が上がるにつれて「支持する政党がある」の割合が増えています。18・19歳と70代以上の支持する政党がある層の差は、70代以上が約5倍多くなっています。

この傾向は下の図で示すように実際の国政選挙における年代別の投票参加の度合いとも共通しています。公益財団法人明るい選挙推進協会が2017年の衆院選と2019年の参院選の際に有権者に対して行った調査では、年齢層が低いほど投票率が低く、年齢層が高いほど投票率が高い傾向にあることが分かっています。

明るい選挙推進協会調べ(2018)

明るい選挙推進協会調べ(2020)

これらのことから、年代が高いほど投票率が高く、支持する政党がある人の割合も大きく、逆に低い年代ほど投票率も低く、支持する政党がある人の割合も小さいと考えることができます。

「新型コロナウイルス感染症の流行で政治への関心が高まった」56.2%

「あなたは、新型コロナウイルス感染症の流行の前と後で、政治への関心は高まりましたか?」と聞いた結果が上の図です。
大きく高まった・どちらかと言えば高まったを合わせると56.2%に上り、全体の半数以上が政治への関心が高まったと回答しています。

投票に行く頻度、「必ず行く」が48.3%

「あなたは、お住まいの地域で選挙があるときに投票に行きますか?」と聞いた結果が上の図です。
「必ず投票に行く」という回答が48.3%を占め、「どちらかと言えば投票に行く」と併せると75.3%となりました。

投票に行く頻度別に新型コロナウイルス感染症前後での政治への関心の高まりをみてみると、
「必ず投票に行く」と回答した層で「政治への関心が高まった」という回答が最も多く、逆に「絶対に投票に行かない」という層では「政治への関心が高まっていない」という回答が最も多くなりました。投票に行く頻度が高い層ほど、新型コロナウイルス感染症前後で政治への関心が高まったと回答していることが読み取れます。

投票先選びの情報源、「テレビ」約4割、「ネット」約3割

「あなたが、選挙で投票先を選ぶ際に一番多く情報を得ているのはどこからですか?」と聞いた結果が上の図です。
最も多かったのは「テレビ」で41.1%、次いで「ネット記事・ニュースアプリ」が22.9%でした。
他にネットを用いた情報源として、「SNS」、「YouTube」はそれぞれ3.5%と1.5%となり、合計すると27.9%がネットを参考に投票先を選んでいると回答しました。

ネットを用いた投票先選び「ネット記事」が最多、ニュースアプリ、選挙情報サイトが続く

本調査では更に細かく、投票先選びでインターネットを用いた場合に参考にする情報源についても聞きました。
「あなたが、選挙で投票先を選ぶ際にインターネットを用いるとしたらどれを参考にしますか?(複数選択)」と聞いた結果が上の図です。

最も多かったのは「ネット記事」で、全体の52%が参考にすると回答。次いで「ニュースアプリ」が34%、選挙情報サイトが32%でした。
これら3つの手段と、その他の手段との間には差があり、続いて多かった「候補者のウェブサイト」は18%、「政党などのウェブサイト」は13%にとどまるという結果です。

「ふるさと納税をしたことがある」24.7%

本調査では行政への接触という観点からふるさと納税の経験の有無についても聞きました。「あなたは、ふるさと納税をしたことがありますか?」と聞いた結果が上の図です。

ふるさと納税をしたことがあるとの回答は24.7%、したことがないがしたいと思っているとの回答は34.3%でした。一方、ふるさと納税をしたことがなく今後もしたくない、との回答は35.5%でした。

調査概要
本記事は選挙ドットコムとYahoo!ニュースによる共同企画で、Yahoo!ニュースが実施したアンケートの結果を活用しています。
アンケートは2月24日、全国のYahoo!JAPANユーザー対象に行い、2000人から有効回答を得ました。
年代別の内訳は18・19歳と20代が合わせて7.6%、30代が19.7%、40代が38.8%、50代が24.5%、60代が7.9%、70代以上が1.7%でした(小数点第二位を四捨五入)。

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