【新型コロナ】宣言解除後の「気の緩み」で5月に東京1000人超も 東大研究チームが試算

 東京大学の経済学を専門とする研究チームが10日までに、首都圏の緊急事態宣言が予定通り今月21日に解除されたあと「年度末の気の緩み」が生じれば新規感染者数が再度急激に増加し、5月に1日1000人を越える可能性があるとの試算を発表した。研究チームは同時に、気の緩みが生じなくても解除時に1日の感染者数の週平均が200人程度であれば、7月に同様に1000人を越えるともしており、この2週間にできるだけ感染者数を減らすことの重要性を示唆しているとの見解を示している。

「年度末の気の緩み」で5月、なくても7月に1000人越える

 試算を発表したのは東京大学 大学院経済学研究科/公共政策大学院准教授の仲田泰祐氏を中心とする研究チーム。専門は経済学だが、コロナ禍と経済活動の関連についての研究としてインターネット上に特設ページを開設、毎週感染状況とそれによる経済損失の試算を更新している。10日までに公開されたのはその最新版で、3月21日までに再度延長された首都圏における緊急事態宣言の解除後、懸念されているいわゆる「気の緩み」が生じた場合と、そうでない場合の新規感染者数の推移と経済損失についての試算。

 試算によると、宣言の期限を迎える21日までに週平均の1日の新規感染者数が現在と同じ200人程度のままだった場合、解除後、徐々に数は増えていき、7月に1日1000人を越えるという。また同じ条件で、年度末のイベント増加による「気の緩み」が生じて実行再生産数が1.25に上昇した場合、再度急激に感染者数が増加、5月1週目に1000人を突破するとした。

 研究チームでは、この試算は「今後2週間で新規感染者数を出来るだけ減少させることの重要性」と「もし予定通り3月22日に解除するならば、その後の経済促進を段階的にすべきであること」を示唆していると述べている。なおこの試算は今後も毎週更新される。

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