ラニーニャ現象 春の間に終息し夏は平常の状態である可能性高い エルニーニョ監視速報

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測 出典=気象庁HP

 気象庁は10日(水)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年夏からラニーニャ現象が発生しているが、今後、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く(80%)、夏は平常の状態である可能性が高い(70%)。

 2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.6℃で、ラニーニャ現象の基準を満たした。太平洋赤道域の西部から中部で海洋表層の暖水の東進が始まっており、今後も暖水が東進して、東部の海面水温が平年より低い状態は解消に向かうと考えられる。

 エルニーニョ予測モデルでは、エルニーニョ監視海域の海面水温は春の間に次第に基準値に近づき、夏にかけて基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測している。以上のことから、今後、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く(80 %)夏は平常の状態である可能性が高い(70 %)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率 出典=気象庁HP

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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