カージナルスの元有望株・レイエス 今季は上限100イニング

日本時間3月10日、カージナルスのジョン・モゼリアック編成本部長は元有望株のアレックス・レイエスについて今季の投球回数を100イニング以内に制限する方針を明らかにした。レイエスは度重なる故障を乗り越え、昨季メジャー定着。しかし、年間の投球回数が100イニングを超えたのは2016年が最後のため、カージナルスはレイエスを開幕ローテーションに組み込むのを諦め、投球回数を管理しながら起用していくことを決めた。

カルロス・マルティネス、ジョン・ガント、ダニエル・ポンセデレオンらと先発5番手の座を争っていたレイエスは、ここまでオープン戦で3試合に登板して4イニングを投げ、被安打2、奪三振6、無四球、無失点と見事な結果を残している。マイク・シルト監督は「すべての条件が平等なら彼はローテーションに入る」とレイエスの実力を認めているが、投球回数を抑えるために先発候補から外す方針を固めた。

60試合制から162試合制に戻る今季は、各選手が例年通りにプレーしていても思わぬ故障が発生する可能性があり、各球団の首脳陣は特に投手の起用について慎重な姿勢を見せている。モゼリアックは各投手の負担を軽減しながら長いシーズンを乗り切っていくために、1試合で先発タイプの投手を複数起用するやり方も選択肢に入れているという。よって、レイエスが短いイニングの先発を担ったり、あるいは「第2先発」を務めたりするケースも出てきそうだ。

もう1つ、レイエスが担う可能性がある役割はクローザーだ。カージナルスはジオバニー・ガイエゴス、ジョーダン・ヒックス、アンドリュー・ミラーなど多くのクローザー候補がいるものの、まだシルトは誰にクローザーを任せるかを決めていない。1年半ぶりに戦列復帰するヒックスは様子を見ながら慎重に起用していく方針のため、昨季終盤からポストシーズンにかけてクローザーを務めたレイエスが再びその座に就く可能性は十分にある。

レイエスは相手打者を圧倒する支配的なピッチングができる貴重な投手であり、故障さえなければ、役割を問わず、カージナルスにとって大きな戦力となることは間違いないだろう。

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