第七十一回「舐達麻とペーソスがジョイントライブをやれば特別な化学反応が起きる!?」

想い出の音楽番外地 戌井昭人

ヒップホップグループの舐達麻の勢いは凄くて、音楽も良いし、リリックも素晴らしく、メンバーのたたずまいも最高で、本当にとんでもないグループが出てきたと思います。さらに、舐達麻というネーミングセンスが、なんとも絶妙で、たまりません。舐達麻という名前は、『実話ナックルズ』を見ていたときに、ライターのなめだるま親方の名前があって、そこから命名したと語っていましたが、そんなところにもグッときてしまいます。

そんでもって、わたくし、ライターの、なめだるま親方 a.k.a. 島本慶さんと面識がありまして、実は最初に舐達麻のラップを聴いて、グループ名を知ったときには、島本さんが、ヒップホップおっぱじめたの? と思って驚いてしまったのでした。

島本慶さんは、哀愁のオヤジバンド、ペーソスをやっていて、わたしもライブを何度か見たことがあります。だから、ペーソスが変化して、どこをどう進んでいったのか、まったくわからないけれど、最終的にヒップホップに行き着いたのかと勘違いをしてしまったのです。でもそれはまったく違いました。

舐達麻は、いつの日かライブを見たいと思っているけれど、わたしのようなおっさんがライブに行ったところで、大丈夫なのでしょうか? 違和感まみれになりそうな気がします。

そこで勝手な提案ですが、なめだるま親方の島本慶さんのペーソスと舐達麻がジョイント(吸うほうではない)ライブをやったら良いのではないかと、勝手に夢想しています。客層や音楽がまったく違うけれど、もしかしたら特別な化学反応が起きるような気もするのです。ペーソスのメンバー、末井昭さんが、舐達麻でラップしているのを想像すると、なんかヤバいくらい格好良いのではないかとも思えてきます。どちらも、抗う桜田門な感じであります。

そんなこんなで、今回は、舐達麻の「麻」に関する音楽、『Reefer Songs』を紹介したいと思います。アルバムジャケットは、すでに男と女が巻物を吸っていて、煙が出ています。ジャンルは、ヒップホップではなく、ジャズです。英語なので歌詞の内容はわかりませんが、「なんだかいろいろ最高だよ〜」とか唄っていて、楽しい感じのものばかりです。年代を見ると、1947年です。神事と麻は太古から関係が深いといいますけれど、やはり音楽と麻も、昔から関係が深いのでしょう。

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