【東日本大震災10年】神奈川の死者は5人、負傷者137人も2月の余震で4人増

震度5強となった横浜市西区で、天井が崩れ落ちたボウリング場。けが人も出た=2011年3月11日

 東日本大震災で神奈川県内は最大震度5強を観測し、避難中に転倒するなどした5人が犠牲になった。浸水被害はなかったものの、津波の到達も確認された。今年2月に福島沖で起きた余震で負傷者が増えるなど、影響は今も続いている。

 神奈川新聞社の集計によると、10カ月~80代の男女計5人が、横浜、川崎市内などで停電に伴う酸素吸入器の停止や転倒により亡くなった。

 このほか、岩手、宮城、千葉の各県と東京都で、川崎、相模原、藤沢、横須賀市などを居住地としていた男女計12人が津波にのまれたり、駐車場の崩落に巻き込まれたりして死亡した。これまでに3人が震災関連死と認定されている。

 県などによると、負傷者は重傷17人、軽傷120人の計137人だったが、2月の福島沖の地震で軽傷者が4人増えた。

 震災時の住宅被害は、半壊が横浜、秦野両市で計41棟。横浜市港北区では液状化で傾く住宅が相次いだ。一部破損は広範囲におよび、計459棟となっている。このほか、川崎市幸区のミューザ川崎シンフォニーホールで天井が崩れ落ちるなど、集客施設にも被害や影響が広がった。

 気象庁の観測で震度5強が記録されたのは、横浜市中、西、神奈川、港北の4区と、川崎市川崎区、小田原市、寒川町、二宮町。そのほかの地域は震度5弱~3の揺れとなった。

 震災当日は東京湾内湾に津波警報、相模湾・三浦半島に大津波警報が発表され、横浜で155センチ、横須賀で136センチ、小田原で94センチの最大波が捉えられた。多摩川など河川を遡上(そじょう)したことも確認されている。

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