燕加入の内川聖一は「セなら普通に打つ」 元鷹コーチ、新天地での活躍に太鼓判

ヤクルト・内川聖一【写真:荒川祐史】

鷹で43勝のバンデンハークは「残ってもおかしくなかった」

3月26日に開幕するプロ野球。コロナ禍の影響で来日できない外国人選手も多いが、オープン戦では新戦力の活躍も目立っている。ヤクルト黄金期のリードオフマンとして活躍し、現役引退後はヤクルト、ソフトバンクでコーチを務めた飯田哲也氏は、昨季まで2年連続最下位に沈む古巣ヤクルトをどう見ているのだろうか。

ヤクルトにとって最大の課題とされているのが投手陣の整備だろう。昨年のチーム防御率は4.61。先発不足でローテ編成に苦しんだ。しかし大黒柱の小川泰弘投手は昨オフに国内FA権を行使した上で残留。そして、昨年までソフトバンクに在籍したリック・バンデンハーク投手を獲得した上、廣岡大志内野手との交換トレードで田口麗斗投手が加入した。

「うまく補強できたのではないでしょうか。バンデンハークは真面目な性格ですし、力は持っている。(ソフトバンクに)残ってもおかしくはなかった。しっかりやると思います」

NPB通算43勝を誇る右腕。飯田氏によれば、近年は相手に覚えられた面もあったというが「最初は負けなかった(デビューから14連勝)ですから。ストレート、ナックルカーブ、スライダー。この3種類でいいと思います」。巨人で先発としての実績がある田口についても「チームを移ったことで大きなチャンスを再び得た」と語る。

バンデンハークはコロナ禍で来日のメドが立っていない状況だが、ローテに組み込んだ場合は小川、石川、スアレス、田口、高梨と5枚が並ぶ。6枠目候補には2年目の奥川恭伸投手の名前も挙げた。「体力があるならば、育てる意味でローテーションで回して経験させるのもいいのでないでしょうか」とした。

昨季出場機会なしの内川「パの速球投手には苦しい」

野手では通算2171安打を誇る内川聖一内野手が加入した。昨季はソフトバンクで出場機会に恵まれなかった38歳は、11年ぶりに復帰するセ・リーグで再び輝きを放てるのだろうか。

飯田氏は「技術は凄いものがある。セ・リーグなら普通に打つでしょう」と予測する。「近年はパの速球投手には苦しみましたが、変化球には対応できる。テクニックで何とかすると思います」。3日の巨人とのオープン戦(東京ドーム)では井納から本塁打。健在ぶりを示している。

杉村繁打撃コーチの存在も心強いという。横浜(現DeNA)時代に薫陶を受けた名伯楽とのコンビ再結成は内川に何をもたらすだろうか。「クセや弱点を分かっている人に改めて見てもらえる。信頼できる存在がいるのは間違いなくプラスになるでしょう」。

内川が加わることで、打線としても厚みが生まれそうだ。「5番、6番あたりに入ると相手は嫌でしょうね。4番・村上の負担も軽減されるのでないでしょうか。ただ、内川を含め、青木(39歳)、坂口(36歳)らベテラン選手は休みながら出場することになるでしょう」とも。一方で、今季から主将を務める山田哲人内野手には「試合に出続けてほしい」と希望した。

昨年オフの“FA戦線”では守護神の石山泰稚投手も残留した。FAによる主力流出を回避し、弱点とされる部分を補強したヤクルト。飯田氏は「うまくいけばAクラスも可能」と占っている。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2