【明治安田生命レディス】東北高卒の有村智恵は震災10年に涙

有村智恵

国内女子ゴルフの今年の第2戦「明治安田生命レディス」(12日~、高知・土佐CC)の前日会見(11日)で有村智恵(33=日本HP)が涙ながらに震災を振り返った。

東日本大震災が起きたのは10年前の大会初日。「ラウンド後の囲み取材で東北で大きな地震があったと聞いたんですけど、当時はスマホもなく、情報がなかったので、大変なことがあったのかなぐらいでした」。

津波警報が出ていたため、その後はクラブハウスで長らく待機。「夜ホテルに戻って、テレビを見て衝撃を受けたのを覚えています」。東北高時代の友人、知人の中には1週間連絡が取れない人もいたという。

「今でも思い出す光景はありますか?」と問われると言葉を詰まらせ、2か月後に訪れた宮城県内の小学校の様子を回顧。「体育館に津波で流されたものが集められていて、生活家電だったり、ランドセルだったり、位牌だったり…。みんなが(無事で)引き取りに来てほしいなと思いました」と涙を見せた。

今大会に向けては「いい状態で来ているので、細かい部分が調整できれば、いい戦いができるんじゃないかと思っています」。前出の小学校には毎年、足を運ぶなど、チャリティー活動にも力を入れてきた有村はさまざまな思いを込めて今大会に臨む。

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