カネミ油症検診 新たに2人認定 長崎県

 長崎県は11日、本年度のカネミ油症検診を受けた未認定被害者40人のうち、五島市の60代男女2人を油症認定、5人を保留(経過観察)、33人は認定に至らなかったと発表した。このうち、原因の汚染油が出回った1968年2月以降に生まれた、認定患者の子(2世)の世代は14人(初受診7人)で、誰も認定されなかった。
 医師でつくる県油症対策委員会が2月26日付で県に答申。県生活衛生課によると、受診者は年齢別に20代以下2人、30代5人、40代3人、50代7人、60代7人、70代9人、80代以上7人。
 汚染油に含まれていたダイオキシン類の血中濃度を重視する現在の診断基準は、濃度が比較的低い2世ら次世代にも当てはめられており、被害把握や認定を阻む壁となっているとの指摘がある。このため国は新年度、次世代救済に向けた影響調査を始める。
 油症発生時に認定患者と同居し汚染油を食べた人を患者とみなす「同居家族認定」は申請を随時受け付けており、本年度は新たに1人を認定した。
 長崎県認定患者数は11日現在、同居家族認定160人を含め982人(死亡、転居含む)。県内在住の生存者は449人。

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