座り込み場所近くで「盛り土」 石木ダム付け替え道路工事

座り込み場所付近で進む盛り土作業=川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業に伴う県道付け替え道路の工事現場で、県側は反対住民が抗議の座り込みを続ける場所の近くにフェンスを設置し、11日、盛り土作業を進めた。
 現場では、座り込み場所を含む約140メートルの区間で、付け替え道路を造るための盛り土作業が遅れている。県側は2月、同区間の中央付近を「安全対策」のためとしてネットや土のうで仕切り、半分の区間で先行して作業に入ろうとしたが、住民側の抗議でほとんど進んでいなかった。
 今回は、もう半分側に新たなフェンスを設置。約20メートルの区間に土砂を運び込み、盛り土を始めた。これで住民側が土砂搬入を防いでいる区間は約50メートルに狭まった。
 県石木ダム建設事務所は取材に「安全に配慮し、できる範囲で工事を進める」としている。住民の岩下和雄さん(73)は「県の強硬姿勢がよく分かった」と吐き捨てるように話した。

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