女子アナ不倫で辞任の“静岡のメディア王”に忖度横行「テレビでほとんどやらない」

大揺れの静岡放送

写真週刊誌「フライデー」で原田亜弥子アナウンサー(40)との“ダブル不倫疑惑”を先週報じられ、静岡新聞社と静岡放送の社長を9日付で辞任した大石剛氏(51)を巡り、退任後の“影響力の保持”がささやかれている。地元・静岡では、今回の騒動が幕引きに向かうどころか県民の怒りを買う事態に。前代未聞の醜聞だったにもかかわらず、地元マスコミがこの話題をほとんど報じないからだ。

静岡駅近くで飲食店を営む女性は憤りながらこう話す。

「ネットを見ている人たちは静岡放送の社長の失態を知っていますが、地元のテレビやラジオではこの話題にほとんど触れませんからね。卓球の(福原)愛ちゃんの不倫疑惑は取り上げるのに大石社長やアナウンサーの方はスルーって。あまりにも対照的な扱いなので、うちのお客さんもみんな『異常だよね』って怒ってますよ」

醜聞を全国に発信された静岡放送や静岡新聞社が、身内を守るため極力報じないのは当然かもしれない。

静岡新聞社は大須賀紳晃常務取締役が、静岡放送は榛葉英二代表取締役常務が9日付で社長に昇格。大石氏は静岡新聞社の代表権がある顧問、静岡放送の非常勤取締役に就いた。

10日発行の静岡新聞では、大須賀、榛葉新社長の顔写真を並べ「大石社長 退任」と報道。扱いは大きくないが「おわび」と題し、以下の記事を掲載した。

「このたびの写真週刊誌報道に関し、読者、視聴者、聴取者、関係者の皆様にご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありませんでした。改めておわびします。寄せられたご批判を厳粛に受け止め、新体制の下、社員一丸となって信頼回復に取り組んでまいります」

また、原田アナは平日朝の情報番組「Soleいいね!」やラジオのパーソナリティーなど、多くの番組を担当していたが、当面、出演はなし。静岡放送のホームページのアナウンサー一覧から、原田アナの名前が消えている。

地元の他社メディアにとってはいわばライバルの失態。遠慮なく追及すればいいはずなのだが、事は簡単な話ではないという。

地元放送関係者に話を聞くと、地域独特の事情を交えながらこう耳打ちする。

「もちろん静岡放送以外の局では一報を報じた局はあります。でも、基本はどの局も“忖度”で深追いしない感じです。大石さんはご承知の通り、静岡を代表するメディアの創業一族で、“静岡のメディア王”です。自身のスキャンダルで社長を辞任したとはいえ、取締役や顧問として各会社には残っているので社内と地元での影響力はいまだ絶大です」

他社といえども、そんな大物のスキャンダルを追及したら後で何をされるか分からないという。

「大石さんは複数の地元企業とも深い関係がありますから、どこかが報じたら、今後、復讐のような形で大石さんと絡む関係先の広告がもらえなくなるなんてこともあるかもしれない。ウチの上層部もそのあたりを懸念して、特に地元ローカル番組ではこの話題を避ける傾向にある。情けない話なんですが、これが地方局の現実なんですよ」(同)

視聴者が興味ある情報より、地元名士との関係を重視するとは…。静岡県民はこのうっぷんをネットを見て晴らすしかない!?

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