マイナーで守備シフト制限、ロボット審判など新ルールの実験へ

日本時間3月12日、メジャーリーグ機構は今季のマイナーリーグで守備シフトや投手の牽制球の制限、一塁・二塁・三塁ベースのサイズの拡大、ロボット審判の導入など、様々な新ルールのテストを行うことを発表した。メジャーリーグ機構は試合ペースの改善や試合時間の短縮、選手の故障の減少などとともに試合中のアクションを増やすことを目指しており、これらの新ルールにはそうした狙いを実現するための効果が期待されている。

マイナー最上位のAAA級では、従来のものよりサイズが大きく、表面が滑りにくくなったベースが使用される。従来のベースは1辺が15インチ(約38.1センチメートル)だったが、これを1辺18インチ(約45.7センチメートル)に拡大。これにより内野安打や盗塁の増加、滑りにくい表面にすることで選手の故障の減少といった効果が期待されている。なお、拡大されるのは一塁・二塁・三塁ベースのみで、ホームベースは従来のサイズが維持される。

AA級では守備シフトに制限が設けられる。内野手4人は両足が内野の土の部分に入っている必要があり、「外野4人シフト」は不可能となる。また、内野手は二塁ベースの両側に2人ずつ立っていることが義務付けられる。まずは前半戦でテストされ、後半戦も継続するかどうかは今後判断していくようだ。

上位A級では投手が牽制球を投げる際にプレートから足を外すことが義務付けられる。下位A級では「牽制球は1打席に2球まで」という制限が設けられる。また、下位A級の西地区では15秒のピッチ・クロックを導入。さらに、下位A級の南東地区ではロボット審判(ストライク/ボールを自動で判定するシステム)が導入されるという。

ベースの拡大で内野安打や盗塁が増えたり、守備シフトの制限で野手のあいだを抜けるヒットが増えたりすれば、アクションの多い試合になる効果が期待できる。メジャーリーグ機構のコンサルタントを務めるセオ・エプスタインは「アクションとアスレチック性を備えた最高の野球を目指したい」とルール変更の狙いについて語っている。

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