フル参戦初年度の阪口晴南が最速。赤旗2回、大雨に翻弄されたSF鈴鹿公式合同テスト2日目午後

 全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1回公式合同テストは3月12日、鈴鹿サーキットでセッション4が行われ、阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が1分53秒202でトップタイムを記録した。2番手には野尻智紀(TEAM MUGEN)が、3番手には坪井翔(INGING MOTORSPORT)が続いた。

 12日午後の鈴鹿サーキットも引き続き、分厚い曇天に包まれた。午前中に降った雨は上がるも、依然として路面は濡れており、手元の計測で気温13度、湿度74%というコンディションのなか、14時からセッション4はスタートした。

 開始早々の14時2分、アウトラップ走行中の関口雄飛(TEAM IMPUL)がS字コーナーの3つ目でクラッシュし、赤旗が掲示されセッションは中断された。そして関口のマシン回収後、セッションが再開されたタイミングで鈴鹿サーキットに雨粒が落ち始める。

 数台がドライタイヤでコースインするも、雨足は徐々に強まりをみせ、各車は計測周回を行わずそのままピットへ。その後、車両が走らない時間が続いたが、レインタイヤを装着した小高一斗(KCMG)がコースインし、1分58秒522を記録してトップに浮上する。それをみたライバル勢も続々とレインタイヤでコースインした。

 小高は周回を重ね、6周目には1分57秒775を記録。しかし、計測7周目のデグナーカーブでコースオフし、サンドトラップから出られなくなった。このアクシデントにより、2度目の赤旗が掲示されることに。なお、赤旗掲示直前には大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が1分57秒032を記録してトップに浮上している。

 セッションが再開されると、雨足も弱まり、各車続々とコースイン。そんななか、大湯は自身の記録した最速タイムを更新し、1分54秒756でトップをキープするが、ここで野尻が1分53秒352を記録して、大湯を上回る。その直後、阪口が1分53秒202を記録してトップに浮上し、大雨のなか激しいアタック合戦が繰り広げられた。

 その後も数台がウエット状況で周回を重ねたが、阪口の記録した1分53秒202を上回る車両はなく、阪口がトップで鈴鹿合同テストの最後のセッションを終えた。2番手に野尻が続き、3番手は坪井が続いている。

 4番手は大湯、5番手には山下健太(KONDO RACING)がつけ、6番手には宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が続いた。なお、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)の3台はセッション4を出走せずに終えている。

 次回となるスーパーフォーミュラ第2回公式合同テストは3月23〜24日に静岡県の富士スピードウェイで実施される。開幕を前にした最後のテストということもあり、開幕戦富士の結果を占う意味でも注目のテストとなるだろう。

阪口晴南(INGING MOTORSPORT)
野尻智紀(TEAM MUGEN)
坪井翔(INGING MOTORSPORT)
大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
山下健太(KONDO RACING)
アウトラップにスピンを喫した関口雄飛(TEAM IMPUL)
ピットロードまで戻ってきた関口雄飛(TEAM IMPUL)の車両
雨足が強まるなか好走をみせるも、コースオフが続いた小高一斗(KCMG)

 また、セッション4開始前には、公式合同テスト観戦に訪れたファンへ向け、ホームストレートウォークが実施された。12日午前のセッション3と午後のセッション4の間で行われ、鈴鹿サーキットを訪れた多くのスーパーフォーミュラファンがホームストレート上からピットレーンやガレージを見学できるというものだ。急遽実施となったホームストレートウォークだったが、大湯都史樹がソーシャルディスタンスを保ちながらファンサービスに応えていた。

急遽実施となったホームストレートウォーク
ファンサービスに応える大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

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