台湾産パインへ支援の輪 中国禁輸受け拡大 県内でも出身者中心に買い支え 10日間で2800個

 中国政府が今月1日から台湾産パイナップルの輸入を停止したことを受け、県内の台湾出身者を中心に、台湾産パインの買い支え支援の輪が広がっている。中国が輸入を禁止してから約10日間で、県内での注文数は約2800個(約400箱)を超えている。中国政府の禁輸措置に反発が高まる台湾では、日本などへの輸出拡大に活路を見いだそうという動きもある。国内最大のパイン生産地である沖縄の農家は、台湾農家の窮状にエールを送りつつ、台中の貿易紛争の動向を注視する。

 台湾大手紙「自由時報」ウェブ版(2月26日付)によると、台湾の2020年の対中パイン輸出量は約4万トン余りで、全輸出量の約9割を占める。

 中国政府は検疫で害虫を検出したことを理由に、2月26日に禁輸を発表。習近平指導部の台湾に対する政治的圧力とみられ、台湾は「害虫は口実だ」と反発している。中国が今月1日から輸入を停止すると、パイン農家を支援しようと台湾国内外から注文が殺到しているという。

 台湾当局の情報サイト「Taiwan Today(タイワン・トゥデイ)」(4日)によると2日時点で、昨年の中国輸出量の4万トンを超える注文が国内外からあったという。

 県内でも、台湾食品専門店「台湾宝島物産」(那覇市)オーナーの周秀玲(ゾウショウリン)氏が台湾産パインの購入支援を呼び掛けている。10日間で約2800個の注文が集まった一方で、沖縄に輸送する貨物船のコンテナを借り入れるには、計719箱の受注が必要となる。

 周氏は「台湾産パインを購入することで、農家への支援につながる。ぜひみんなに台湾を応援してもらいたい」と述べた。

 問い合わせは、台湾宝島物産のフェイスブック(FB)ページ。(呉俐君)

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