新型コロナウイルスに関する長崎新聞社の意識調査結果を受け、長崎大の森内浩幸教授(日本ワクチン学会理事)に聞いた。
-ワクチンの接種を望まない人が一定数いた。
未知のものに恐怖を抱くのは当然。医療従事者の接種が始まったが、思ったよりもアナフィラキシーが発症している印象。一般的に何十万分の一で起きるが、現在は約6千人に1人のペース。女性が発症しやすいとされ、看護師らが多く接種しているため、それが影響している可能性はある。
ただ、回数より発症後に対応できているかが大事。これまでに国内で報告されている事例は直ちに対応し、回復している。
-変異株を不安がる回答も多かった。
今日本で広がっている変異株についてはワクチンの有効性はほぼ変わらない。免疫から逃れ、2度感染するような変異株に対しても有効性は60~70%という推定がある。それは悪い数字ではなく、変異株に対抗するワクチン開発のスピードも速い。治療薬も期待されているがまだ時間はかかる。まずはワクチンで予防することが一番だ。
接種が進めば、重症化リスクや感染する可能性は今より低くなる。その状況でこれまでと同じ制限ではみんな気持ちが持たない。少しずつ緩めていく必要がある。そこでは接種していない人への差別につながらないような配慮も必要だ。