事前シェイクダウンなしでテストに臨んだメルセデスF1に思わぬトラブル「大きく出遅れ。パフォーマンスにも不満足」

 7連連続F1チャンピオンのメルセデスは、2021年F1プレシーズンテストで、新車W12をコースデビューさせた。ところが午前セッションを担当したバルテリ・ボッタスが走り出した直後にギヤボックスにトラブルが発生、これが初日のプログラムに大きく影響した。

 メルセデスは唯一、事前のシェイクダウンなしにテストに臨んだ。チームによると、初日1周目にギヤシフトの問題が発生、ギヤボックスの交換を行ったという。午前セッション終盤にボッタスはコースに復帰したが、合計6周しか走行できずに終わり、タイムはこの日参加した17人中最下位に終わった。

 午後のセッションには予定どおりルイス・ハミルトンが登場した。ハミルトンは42周を走行したものの、ベストタイムは1分32秒912(C2タイヤ)で10位にとどまった。

2021年F1プレシーズンテスト1日目 ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは、トラブル発生で時間をロスし、修復後のマシンパフォーマンスも満足いくものではなかったとして、課題は多いと考えている。

「残念な形でシーズンをスタートすることになった。バルテリ担当の午前セッションはギヤボックストラブルによってほとんど失うことになり、その影響でルイス担当の午後のセッションを開始するのも遅れた」

「走り出してみると、マシンが正しいバランスにないことがはっきりした。一日のなかである程度の進歩はあったものの、マシンのパフォーマンスに満足していない。やるべきことが山ほどあるのは明らかだ」

「テストプログラムが大幅に遅れており、バランスとスピードを見つけ出す必要がある。だが、テストはあと2日残っているので、この状況から立ち直るチャンスはあるはずだ」

 チーム代表トト・ウォルフは、突然ギヤボックスのトラブルが起きたとして、これ以上問題が起きれば、深刻な事態になると語った。

「いい出だしではなかった。予期せぬギヤボックストラブルが発生した。この問題を特定し、理解する準備はできていなかった」

「これ以降、スムーズに作業を進めていくことができれば挽回が可能だ。だがさらにつまずくようなら、テストは3日間しかないので、十分なことができなくなるだろう」

 ハミルトンは、チーム全員で問題解決に当たり、遅れを取り戻すことができると考えている。
「こういうことは時には起こる。今日は極めて順調とは言い難い一日になった。チーム全員が必死に働いて、マシンを用意したけれど、午前中に問題が起きた。バルテリは大幅に走行時間を失い、本当に不運だった」

「でも僕らは目の前にある問題の解決法を見つけるためにここにいる。ミーティングをし、作業に取り組んでいくだけだ」

2021年F1プレシーズンテスト1日目 レッドブルRB16Bのリヤを覗き込むバルテリ・ボッタス(メルセデス)

 他のチーム同様、メルセデスは事前のシェイクダウンを行うべきだったという意見もある。ボッタスは「後からそう言うのは簡単だ。確かに事前に走行することもできただろうが、この数年は何の問題もなかった。ただ、来年に向けて再考することになるだろうね」と語った。

「これから遅れを取り戻すことができると思う。残り2日をいい形で過ごしたい」

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